ケース vs フィールド《最新MBA事情》

果たして企業経営者は「インド市場が急成長している」という言葉だけを信じてインドに拠点を進出するでしょうか？

MBAの本拠地、ハーバードビジネススクールで今話題の「フィールド」皆さんご存知でしょうか？MBAといえば誰でも「ケーススタディ」を利用した熱いディスカッションを連想しがちですが、実は今、新しいマネジメント教育の手法として注目を浴びているのが「フィールドスタディ」です。その背景には、ハーバードビジネススクールがここ数年、一年次のフルタイムMBA学生全員を対象に実施しているインドや南米での実地学習（フィールドスタディ）があります。

話を戻しますと「急成長を遂げているインド」という言葉だけで、その地域に日本と同様にアスファルト整備された物流インフラが整備されているという魅力的な仮定を勝手に作っていませんか？実際はもっと複雑で、マクロな統計数値では想像もつかないような現実を、現地に行って観察することで、簡単に得られることができます。

ケーススタディを実践すればするほど、教室の中のみで学修することに限界を感じているビジネススクールは多いはずです、今後こうしたフィールドスタディをどうMBA教育に取り入れているかが問われることになりそうです。

Written by

栗本博行

神戸大学経営学部卒業後、大阪大学経済学研究科にて修士/博士（経済学）を取得。製品開発戦略を主な研究対象とし、規格競争分析に関する論文を多領域に亘って執筆。近年は事業継承に関する研究に取り組む（事業承継学会理事）。ビジネススクールではEMBA/MBAプログラムの立ち上げから運営まで幅広く携わる。

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