最新オンラインMBA事情

オンラインMBAの社会的価値を議論する記事によると、アメリカ社会では通学生と通信制の違いで不公平な扱いを受けなかったというアンケート結果が出てきたようです。アメリカのように、隣町に移動するだけでも相当の時間がかかってしまう環境においては、MBAにかぎらず早くからオンライン教育が発達していたので、待ちに待った結果と言えるでしょう。

その背景には、AACSBやAMBAといった国際認証機関がオンラインMBAに関する認証基準を用意し、指導する教員の研究業績や学位取得状況とともに、その教育コンテンツの品質チェックや参加者の学修達成度を実施する仕組みが、通学制と同等であることを証明する事をビジネススクールに求めてきた成果といえます。こうした認証評価を受けていない通信制は、さすがに採用側も、さてどうしたものかと悩んでしまうでしょう。

私もオンラインMBAの動向にはとても興味を持っているのですが、もし既存のオンラインMBAに物足りなさを感じる場合には究極の「バーチャルMBA」はいかがですか？IEビジネススクールやハーバードビジネススクールなどは放送局レベルの設備で、あたかも教室内にいるかのようなライブ感あふれる「バーチャルクラス」を部分的にMBAプログラムに組み込み始めています。

Written by

栗本博行

神戸大学経営学部卒業後、大阪大学経済学研究科にて修士/博士（経済学）を取得。製品開発戦略を主な研究対象とし、規格競争分析に関する論文を多領域に亘って執筆。近年は事業継承に関する研究に取り組む（事業承継学会理事）。ビジネススクールではEMBA/MBAプログラムの立ち上げから運営まで幅広く携わる。