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《連載コラム》部長を辞めて教授になったMBA⑮:日本人コミュニティ

日本人コミュニティ
豪州に限らず、海外ではどこでも日本人コミュニティが存在します。ワーキングホリデイや留学生などの学生コミュニティを除けば、いわゆる働く人は駐在員と現地雇用員の2種類に分類されます。駐在員にとって赴任地は、あくまで客人として2~3年滞在する出稼ぎ場のようなものです。仕事をする時も、机(デスク)は日本に向いています。日本の本社から見てどう思われるかが行動の基準です。一緒に来ている家族も長期観光気分です。一方、現地雇用員は多くの場合、永住権を持っていて(または取得しようとしていて)、その国に根を下ろして、この先長くその土地で生活していこうと考えている人です。どうやってその土地に馴染み生活していくかが関心事です。当然この2つのコミュニティは、考え方や価値観に大きな違いが存在します。

程度の差こそあれ、コミュニティはいわゆる邑(むら)社会です。日本社会の縮小版のようなヒエラルキー(階層)社会が存在します。この階層は駐在員コミュニティに特に顕著に表れる現象です。そして邑には面倒な掟(ルール)が存在します。もし、日本の閉鎖的な社会や人間関係に嫌気がさして、自由を求めて海外に来た人であれば、こういったコミュニティ(特に駐在員コミュニティ)には、極力関わらない方が精神衛生上は良いかもしれません。コミュニティには便利な面もあると同時に、煩わしいことも多いからです。

日本のプレゼンス
海外で生活して多くの人が感じることは、「日本のプレゼンス(存在感)の小ささ」です。豪州で日本のことが新聞やニュースで取り上げられることはほとんどありません。これは日本でしか生活したことがなかった私には、初めて身をもって感じさせられることでした。そしてこのことは、日本と言う狭い世界に閉じこもっていては、世の中のことはちゃんと理解できないと感じさせられることになります。世の中とは世界のことであり、自分の住んでいる周り(日本)のことだけを意味するのではないということです。海外に住んでみて最も大きな収穫は、ありきたりですがこのことだったかも知れません。

五輪に沸くシドニー
2000年当時、シドニーの街はオリンピックで活気づいていました。世界中から観光客が押し寄せてきていました。マラソンのスタート地点が住んでいるアパートのすぐ側だったので、応援に行ったりもしました。高橋尚子選手がマラソンンで金メダルに輝いたのもこの大会です。私も良い機会だったので柔道や野球を観に行きました。当時は野球もオリンピック競技でした。大会が終わると豪州のメダリスト達による街頭パレードが行われましたが、フーリガン対策でオフィスはほとんどクローズしていました。

オリンピック期間に限ったことではないのですが、木曜や金曜の午後3~4時くらいから夜中にかけて街中のバーはスーツ姿の男女でどこも満員になります。まだ日が高い時間なのにオフィスで仕事はしないで、すでに宴会モードなのです。私が豪州人のビジネスマンに「なんでそんなに飲むのが好きなんだ」と尋ねると、「これはビジネスの一部なんだよ」と応えてくれました。彼らの感覚では、バーでの会合(宴会)は、仕事上のネットワークつくりであって、ただ飲んだくれているわけではないとのことです。

シドニーで五輪が開催されている当時、私はKDD(後にKDDI)のシドニー現地法人でマネージャーをやっていました。しかし、仕事を始めて3日目に後悔しました。東京(日本)から出稼ぎ感覚できている特権階級面したお公家のような所長と副所長が、その場凌ぎの役所仕事に明け暮れていました。その後、老舗KDDは、存続会社として勢いに乗るDDIに吸収されるかたちで消滅しました。続きは次回のコラムにて。To be continued. Stay Tuned…

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