国内MBAの学費は高い？安い？

日本のビジネススクールの平均的な学費（入学金+在籍期間の総授業料）は約350万円というのが相場で、15年前と比較すると徐々に上昇傾向にあります。一方で海外を見てみると、米国MBAは1,200万円からが標準で、いわゆるトップスクールの場合は1,500万円になります。欧州MBAの場合は米国ほどではないにしろ学修期間が2年ではなく1-1.5年のため、その分低く800万円程度に設定されています。さらにアジアのMBAは、例えばタイの国際認証ビジネススクールの場合でいくと、MBAは550万円でExecutiveMBAは750万円で、アジアMBA＝安いという構図でもありません。

海外のビジネススクールの関係者と交流提携の話をしていると、日本のMBAの学費の低さをよく指摘されますが、私は「これはMBAが日本社会に受け入れられるための戦略的な設定で、将来的には欧州水準になるだろう」と説明しています。さらに国内MBAは「教育訓練給付制度」が適用されているビジネススクールに通うと100万円以上も給付されます（いつまでこの制度が続くのかは私にも分かりません）、国内MBAで学び直すなら今しかありません。

Written by

栗本博行

神戸大学経営学部卒業後、大阪大学経済学研究科にて修士/博士（経済学）を取得。製品開発戦略を主な研究対象とし、規格競争分析に関する論文を多領域に亘って執筆。近年は事業継承に関する研究に取り組む（事業承継学会理事）。ビジネススクールではEMBA/MBAプログラムの立ち上げから運営まで幅広く携わる。

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