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MBAは時間の無駄なのか?

MBAは「時間の無駄」か?という問題提起は昔からなされておりますが、ここで論点を整理してみようと思います。そもそもMBA教育は万能ではありませんし、欠点のない教育だとも思っていません。MBA教育に対する批判があって当然ですし、また誤解も存在することでしょう。そうでなければ逆に気持ち悪いものです。その前提でMBA教育を謙虚に見ていくと、批判的もしくはネガティブな意見は大きく分け以下の5つに分類されるようです。順に見ていきましょう。


類型I《肩書としてのMBAに意味がない》

MBAとはリーダーとしての姿勢を身につける場であり、ビジネスの万能薬や成功の方程式を提供しているわけでもありません。他方で、MBAを採用する企業側(人事や経営者)も、こうした人材の活用法を見出しきれていないのも現状です。MBAとは、誰かに評価して貰うために学ぶ領域ではなく、組織・チームを率いるリーダーとしての教養を、質の高い議論を通じて高め合う場であります。失敗から多くを学び、いかに組織のパワーを引き出して社会を変革していくかを考える場所であります。MBAという学位としての肩書きに即効性ある意味や価値を見出そうとする事は止した方が良いでしょう。

類型II《MBAの本領を発揮できる場が無い》

すぐに使える知識・スキルは、すぐに使えなくなります。MBAで時間をかけて修得すべきは知識でもスキルでもなく、組織や社会を変革しようとする「姿勢」にあります。まさに組織を変化するリーダーに必要な「教養」を身につける場ですので、風邪薬のような即効性ばかりを期待しないことは重要です。むしろ、失敗から学ぶことの出来るリーダー、いかに失敗から学ぶか?を考える事の方が健全ではないでしょうか?失敗しない人は失敗する余地のない安全な事を実行しているだけです、むしろ失敗したことのないエリートがいざ経営権を握った方が危険だと思います。MBAの本領とは「失敗から学ぶ」これにつきます。

類型III《MBAのコンテンツに価値が無い》

日本でMBA教育が確立されてから20年、現在活躍中のMBAホルダ第1世代は国内ではなく欧米ビジネススクールで取得された方がほとんどで、それは企業から派遣されたエリートのための教育でありました。AACSB(MBA国際認証機関)が認めているように、当時のMBA教育の内容は企業倫理やサステナビリティといった議論よりも、企業価値・株主価値最大化といった経営手法が重視される時代背景もあり、日本社会では活用しにくいという議論は事実存在しました。こうした批判やサブプライム問題を生み出したという反省から、MBAカリキュラムはこの10年間で大きく変化しています。第1世代の方々からすれば、随分変わったなと感じて頂けることでしょう。

類型IV《マネジメント力は教育出来ない》

これはミンツバーグの主張に近くなりますが、マネジメントには学問としてのサイエンスのみならず、アート(直感)やクラフト(熟練)といった要素が必要であり、確固たる方法論など存在しないという主張。という彼もStrategic Safariという著書において、経営学における独自の方法論(コンフィギュレーション学派)を主張していますが・・・彼の指摘は極めて的確でして、伝統的なビジネススクールの欠点を描写しています。研究と教育が両輪として存在していないと、ただのトレーニングスクールにすぎないという指摘に加え、左脳と右脳、教室と現場が両輪として存在しないと、偏ったリーダー教育になってしまうという警鐘であります。

類型V《単なる食わず嫌い》

ただ、よく知らないから批判してみる、というのは、食べたことがないから嫌い・・と言っているのと同じ。批判をするのであれば一度、体験してみるのも手かと思います。もしMBAが欠点ばかりの教育であれば、ここまで世界的に普及しているのも辻褄が合いません。それはさておき、この世に完璧な教育など存在しません。MBAもしかり、欠点があり批判が有りそれを受けて良くしていくべき。これは品質改善や工程改善と同じ事で、日本人が最も得意とする領域ですね、それが出来なければマネジメント教育機関として失格です。


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