アブストラクト

ノバルティスファーマ株式会社は、1997年に誕生したスイスノバルティス社の新薬事業部門の日本法人であり、2000年に販売開始した血圧降下剤のディオバンをブロックバスターに育てたことで、企業規模の著しい拡大に成功した企業である。本ケースは医薬品企業に属する主人公が自身の体験を元に医療環境を概観するとともに、ノバルティスファーマ株式会社に代表される2000年代の製薬企業の経営戦略について記述し、その成功要因を明らかにする。そして、近年の医薬品業界でも大きなトピックであったディオバンを巡る不祥事を一つの契機として変化していく、これからの企業の経営戦略と日本医療の制度の可能性を検討していくケースである。

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