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サンゲツ 2018

#マーケティング #グローバル展開 #資本政策


アブストラクト

株式会社サンゲツ(以下「サンゲツ」という)は、1953年設立のインテリア商材の専門商社である。取扱商品は、壁紙、床材、カーテンなど施工を伴うものが中心である。自社でデザインなどを企画・開発したものをメーカーに製造委託し、自社ブランドで販売している。長期にわたり、インテリア業界では売上1位の地位を維持している。会社設立から2014年まで創業家が経営を行ってきた。特に前々社長である日比賢昭(以下「賢昭」といい、ケースでは「山守保昭」という偽名を使用している。)は一人で47年社長を務めた。他にも弟三人が取締役となるなど取締役の過半数以上を創業家が占めていた。賢昭が社長に就任したときは売上高5億円、社員34名であったが、日本の高度経済成長に合わせて売上1,000億円を超えるという大きな成長を遂げた。しかし、晩年は日本市場が成熟し、それに対する新たな成長施策を打ち出すことができず、売上は停滞していた。2012年から賢昭の弟祐市が1年6ヶ月ほど社長を務めたあと、2014年に2012年より2年間社外取締役を務めていた三菱商事出身の安田正介(以下「安田」といい、ケースでは「海堂」という偽名を使用している。)が社長に就任した。社員だけでなく、インテリア業界が驚いていたなか、安田は自らが構想していた計画を直ちに実行し始めた。サンゲツが何年も策定してこなかった中期経営計画を策定し、経営方針を社内外に明確に示した。またこれまで株主への施策といえば、株主総会など法令で要求される最低限のことしか行ってこなかったが、安田は機関投資家への決算説明会の開催など株主、機関投資家に対して積極的に経営状況を開示し、サンゲツの経営への理解を促すようにしている。2014年11月には2014年からの3年間の純利益の100%以上を株主に還元するという方針を発表した。2017年からの3年間もその方針は維持している。株主還元を進める一方、デリバリー体制の見直し、基幹システムの更新、海外展開など積極的な施策を進めている。

詳細情報

ケースID 18-1057
登録 2018
業界 建築材料卸売業
分析領域 総合経営
ページ数 27
言語 Japanese
ティーチングノート あり