名古屋商科大学大学院会計ファイナンス研究科(MSc in Accountancy & Taxation)の修了生である松本実さんが、学会発表を行いました。松本実さんの修士論文は、暗号資産の税務に関する調査分析であり、この研究分野のこれからの先行研究となり得るほどに、独自性のある内容でした。松本実さんは博士課程の進学も考えており、指導教官であった野坂和夫准教授を代表者とし、2名で共同発表を行いました。
学会発表の概要は以下の通りです。
暗号資産に関する所得区分のわが国の取扱いは、国税庁によると暗号資産を支払手段と据えるため原則として雑所得に区分されていますが、暗号資産の種類および取引は多種多様であるため、多種多様な暗号資産の特徴に応じて所得税法上の適正な所得区分を該当させる必要があります。暗号資産をその特徴ごとに体系的に分類したうえで、暗号資産それぞれの所得税法上の適正な所得区分を探究して明らかにすることを目的とし、支払手段に分類される暗号資産の売却等による利益は雑所得に区分され、支払手段に分類されない暗号資産の売却等による利益は譲渡所得に区分されるということ結論を導き出しました。
松本実さんは現在、博士号取得のための進学先を考えるとともに、今後も研究実績を積み重ねるべく、仕事の傍ら、研究にいそしんでいます。
MSc in Accountancy & Taxation