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《連載コラム》部長を辞めて教授になったMBA⑩:片道切符、いざ出発

One Way Ticket(片道切符)
夕刻に名古屋空港を離陸するカンタス航空のチェックインカウンターに差し出したチケットは、ブリスベン行のOne Way Ticket(片道切符)でした。帰り(帰国)の時期がはっきりしないため、復路のチケットを買わなかったためです。日本でMBAホルダーから教わった、持っていった方がいい参考書や財務電卓やらなにやらで相当重くなった荷物を抱えながら、出発ロビーの窓からガラス越しに搭乗予定の航空機を眺めていました。夕立が上がったばかりのアスファルトが空港から照らされるライトにキラキラと反射し、これから起こるであろう様々な出来事への期待と不安の入り混じった気持ちを映し出しているかのようでした。その後、大学院を2つ修了し、現地法人でシニア・マネージャーとして働き、3年半もの海外生活の門出となるとは、この時、知る由もありませんでした。

到着のブリスベンの空港には、以前のDDIの一年後輩で豪州在住の友人の森さんに迎えにきてもらいました。彼女には当時、スチュアートさんという豪州人のボーイフレンドがいました(後に結婚)。二人の温かい出迎えに、土地勘のない私はとても心強い気持ちになれました。

人種のるつぼ
豪州は移民の国です。様々な国からの異なる人種の移民によって成り立っています。そして移民政策は、経済はもとより国の方向性をも左右する根幹の政策です。移民の文化に馴染みがない私のような日本人にとって、様々な人種が混ざり合う環境は新鮮でした。そして、普段は日本で普通に感じていた周りの人に対する見方も、変わっていくことに気が付きました。それは、気持ちの根底に「そもそも周りの人たちと同じでない」という意識があると、自分と他人を変に比べてみたりしないものだということです。逆に言えば、「周りの人たちが同じや似ている」という意識が横並び意識のようなものに通じ、自分と他人を比べて優越感を感じたり、自分が引け目を感じたりするのではないかと感じます。豪州では、異なる人同士が混ざり合って(決して融け合うではない)生活をし、自分以外の国籍や人種を認めつつも、お互いに境界を超えて入って行かない暗黙の合意が存在している、という雰囲気を感じました。平たく言えば「人は人、自分は自分」なのです。

英語のOJT
人にもよりますが、日常生活で英語が原因で不自由を感じるのが解消するまでに早い人で半年、だいたい1年程度かかります。睡眠中の夢の中で英語でしゃべっている自分が現れるまでは、英語を(いったん日本語に変換しないで)英語のまま理解して返答する状況にはなっていないと言われます。これはいくら日本で文法や作文を勉強してきても、特に会話となると別の「英語脳」の養成が必要となるからです。なので、最初の3~4か月位までは、英語のコミュニケーションが原因で大変なストレスが溜まります。私にも特にストレスを感じる出来事がちょうど2か月ほど経った時におとずれました。それはRay Whiteというゴールドコーストの地元の不動産屋に、借りる予定の部屋の契約に行った時のことです。担当の人が、20ページ位ある賃借の契約書をひょいと手渡して、「今ここで読んで、この場でサインしてくれ」と言ってきました。何かこちらが不利になることが記されているとマズイので、その場で不動産屋のエアコンの効きの悪い奥の空室で2時間以上かけて読解しながら逐一質問し、不明点を確認しました。「That’s enough」さすがにこの時は暑さもあり、カタコトの英語を話す変な日本人に質問攻めにつき合わされた担当の人も、見るからに辟易しているようでした。こうゆう切羽詰まった状況はできるだけ避けたいのが心情なのですが、確実に自分の英語能力の向上に寄与したOJTであったには違いありません。続きは次回のコラムにて。To be continued. Stay Tuned…

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