MBAの入学説明会で質問される内容は「MBAの難易度」です。MBAの難易度は「入学試験」と「単位取得」の困難さが考えられますので、今回は入学試験の難易度にフォーカスして説明いたします。まず、MBAの入学試験に関しては多くの場合「個別面接」と「筆記試験」となります。欧米のビジネススクールの場合には、この2つに加え「GMAT(ジーマット)」と呼ばれる共通試験のスコアが必要となり、そのスコアが出願基準として利用されることが多いため、難易度を考える上で重要な要素となります。その他、あまり知られていない入学の可否を左右する要素としては、出願時にビジネススクールに提出する「履歴書」と「課題エッセイ」です。
これらの要素の中で、ビジネススクールは履歴書と課題エッセイを重視しています。それはなぜか?MBA教育とはビジネスリーダーを育成する場であり、ケースメソッドによる活発かつ内容の深い議論を行うためには、専門領域における知識量よりも、未知の状況に対して討論を通じた深い洞察/判断を行うための社会経験が求められるためです。さらに、その志願者が卒業後にどのような活躍が期待できるかがビジネススクールの価値/評価を左右するため、審査官は履歴書や課題エッセイは熟読します。
もちろん履歴書や課題エッセイのみで合否が決定することはないですが、「面接」はこの事前提出された書類内容をベースにして行われます。したがって、MBA入学の難易度とは、まさにこの面接でどう自分自身を面接官(教員)にアピールできるかにかかっています。
試験当日の面接は、企業の採用面接と同様に、ビジネススクールの人材育成目標と一致しているかを複数の教員が15分から20分といった時間内で確認することになります。まず、書類審査で疑問に感じた内容の確認や、MBA取得へのモチベーションなど基本的な要素の確認が行われます。そして、想定外の質問にどう対応するのか?どうケース討論に貢献してくれるのか?どのようにクラスでリーダーシップを発揮してくれるだろうか?など、志願者の姿勢に関心を持っています。
言い換えれば「今朝の日経新聞に書かれていた....について説明してください」や「ファイナンス理論の...モデルについて説明してください」といった単純な知識を問うビジネススクールは、明らかに知識修得を目標としている事が予想されますので残念です。MBA教育とは専門知識量を高める場ではなく、ビジネスリーダーとしての意識/姿勢を高める場ですから。
MBA面接での想定質問項目
- あなたにとってMBAとはどんな意味を持つのですか?
- なぜあなたはMBAを目指すのですか?
- あなたはどのようにクラス討論に貢献できますか?
- あなたが所属している組織をどうしたいのですか?
- MBA取得後のあなたのキャリアプランは?
- 自分に欠けているマネジメント能力/リーダーシップとは?
その他の質問項目
- 会社や家族はMBA取得に理解を示してくれるでしょうか?
- 授業準備のための時間の確保はどうされますか?