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MBA取得方法《MBAとMSc》

MBA取得を考える上で忘れてはいけないのが出願資格です。この資格とは「学歴」と「職歴」を指しており、出願資格さえクリアできれば残るは入学試験です。入学試験の多くは書類審査と面接試験になり(海外MBAの場合はGMAT《世界共通のセンター試験のような存在》スコアが必要になります)。まず今回は取得方法にフォーカスしたいので、面接については別のコラムで紹介したいと思います

まず出願資格の「学歴」に関しては原則として大卒が前提となります。MBAを取得(授与)することが出来る教育機関は経営大学院《ビジネススクールと呼ばれる経営系の大学院研究科》であるため、大学教育《4年制大学》を完了していることが原則となります。したがってMBAとは大学院レベルのマネジメント能力を提供する場であるため、出身学部はどこであっても問題になることはありません。そして出願資格の「職歴」といういわゆる実務経験については、MBAを取得するためには入学時点で最低でも一定数の年数(3年〜15年)を課しているMBAが大多数で、しかもプログラムの種類(MSc,MBA,EMBA)によって変化しますので入試要項などで確認する必要があります(詳細は後述)。


大卒未満でのMBA取得方法

短期大学卒や高等学校卒でMBA取得を国内で検討する場合は、日本の法律(学校教育法施行規則第155条第1項第8号)によってまず「22歳」以上であることが前提条件となります。そして次に大学卒業と同等以上の能力を有し大学院教育に参加する上で問題がない事を、入学試験に先立って実施する個別の審査《事前資格審査と呼ばれます》により認められることで可能となります。この事前資格審査とは各ビジネススクールが定める方法なので一概にはいえませんが、私の知りうる範囲では1)職務経歴書で事前に個別審査を行う方法、2)個別面談による事前審査を行う方法、3)ブリッジプログラム《PreMBA》と呼ばれる課程に参加する方法(本学はこれです)、の3通りだと理解しています。

MBAとMScの違いとは何か

次にMBAの取得方法について「学位の種類の視点」から紹介したいと思います。まずビジネススクールを卒業すれば、一律でMBAが取得できるわけではありません。ビジネススクールは経営学に関する修士号を授与しますが、経営学の修士号が必ずしもMBAと呼ばれる訳ではなく、大きく2つに分類されます。それは「研究志向」と「実務志向」であり、前者は将来、博士課程に進学する事を考慮したアカデミック色の濃い内容であり、後者が実務家のための実践色の濃い内容であります。欧米では両者を区別するため、前者は「MSc」と称される事が多く[MSc = Master of Scienceの略]、後者がいわゆる「MBA(Master of Business Administration)」となります。

このようにMBAとはマネジメントに関する総合的な判断能力を有する人材を育成する場であり、他方のMScは特定領域に関する専門知識を有する人材の育成、と区別することができます。したがって、MBAのカリキュラムは経営者の視点で企業活動全体を俯瞰した意思決定を行うことのできる人材(CEO、CFO、COO、CMO)を養成することを目的として構成されるのに対し、MScのカリキュラムは企業の特定領域(例えば財務、会計、金融、生産技術、流通、税務、マーケティングなど)における高度な専門知識を体系的に理解した人材を養成することを目的として構成されます。

このように、MBAとMScでは育成すべき人材像が異なっているので、教育手法も異なるべきですが、しかしながら国内ビジネススクールでこの点をきちんと理解して区別できているところは少なく、経営系のコンテンツを扱っていればおしなべて「MBA」と設定されているのが実情であります。

MScとは

前述のように、MScは特定領域におけるプロフェッショナルを養成することを目的としているので、必然的に学術志向が強くなる傾向にありますが、MIT Sloan(マサチューセッツ工科大学スローン経営大学院)のように競合するビジネススクール(チャールズ川を挟んだ向かい側にあるハーバードビジネススクール)と差別化を図るために、MBAのみならず特色あるMasterプログラムを多数提供している事例や、カリキュラム上はMBAであっても国際認証の関係(欧州では参加者が実務経験3年以上のプログラムのみをMBAとして認証)で、あえてMScと表記している場合がありますので、海外MBAを取得しようとする場合は、表面的な学位の種類にこだわらず、大学の教育ポリシー、国際認証の種類、教育制度上の縛り、地域的な傾向、カリキュラム、参加資格、教授手法(ケース/講義)、ランキングをしっかり理解しておく事が重要です。

MScの動向

MBAが目指すのはプロフェッショナルスクールであり、MScが目指す理論研究よりもケースメソッドを多用した実践的な講義が中心となります。しかしながら、ケースメソッドを利用したプログラムであっても、ファイナンス、マーケティング、アカウンティングなど特定の専門領域にフォーカスしたプログラムの場合は、MBAではなくMSc in FinanceやMSc in Marketingといった学位を発行する事があります。こうしたMScの市場は日本国内においてはあまり知られていませんが、実のところGMACによる世界調査においては、実務経験を有さないアジア(中国とインド)の参加者の増加により、世界的にはMBAよりもMScへの参加希望者が近年増えている傾向にあります。


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