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ケースメソッドの魅力

#ハーバード #ケースメソッド #ケース

ケースメソッド《Case Method》とは1921年にハーバードビジネススクールで使用されたボストンの靴工場のケース『General Shoe Company』を起源とし、日本国内では「ハーバード白熱教室」で日本でも一躍有名になった教育手法です。ケースメソッドでは講師と参加者が対話を進めながら進行する手法で(教育手法としては「ケースメソッド」という呼び名が正式名称ですがつい「ケーススタディ」と言ってしまいます...)世界中のMBA教育で採用されています。国内ではケースメソッド研究所の高木晴夫教授や竹内伸一教授らがケースメソッドの第一人者となります。

MBA教育で実践されているケースメソッドとは、実際のビジネスで主人公(ケース企業の経営者等)が直面する意思決定を参加者が自らの視点で追体験することを通じて「自分ならこう行動する」という姿勢を身につける事になります。すなわち「知識の修得」ではなく参加者間の主体的な議論およびロールプレイ等、参加者を主体とした学修体験を追求し、実務家としての世界観・視野を広げることを目標とします。

MBAに起源を持つこのケースメソッド教授法は、今や経営大学院のみならず学部教育や高等学校教育においても実践され、追体験を通じた主体的な学びの魅力を感じた参加者に提供されています。ケースを活用した教授法にご興味をお持ちの教育関係者は本学が運営する日本ケースセンターをご確認ください、HBS、IMD、INSEAD、IVEY、Darden開発したケースが入手可能です。



授業準備(Individual Preparation)

ケースメソッドでは、授業開始前に教員から配布される20ページ程度のケースは通常、ケース(教材)とアサインメント(課題)によって構成されています。ケースには必ず「主人公」が存在し、参加者はケースを読みながら教員が事前に提示したアサインメントに対する自分の考えを、ケース主人公の視点を通じて準備することが求められます。

  • 部長Aはリーダー失格か適格か?(リーダーシップ)
  • 投資家は敵かそれとも味方か?(ファイナンス)
  • V字回復の財務演出に賛成か反対か?(財務会計)
  • 中国市場への事業展開に賛成か?(経営戦略)

グループ討議(Small Group)

ケースメソッドではまず「グループ討議」が前述のアサインメントを利用して実施されます。受講者が6-8名のグループに分けられ、アサイメントとしての事前課題に対する互いの準備を交換し合いながら授業に備える時間帯となり、教員が立ち入る事はあまりなく、その中での活動は成績評価にも含まれません。重要なポイントはケースを共通情報として、参加者同士が自由に発言し「共に教えあう」場として運営する事であり「プレゼン準備時間」ではないという点です。

クラス討議(Large Group)

ケースメソッドではコールドコールが終了すると、教員主導によるクラス討議が開始します。授業は学生がプレゼンする場ではありません。教員からの問いかけに対して受講者が発言を求めて一斉に挙手する光景がNHK「白熱教室」シリーズで見られますが、発言は教員に対する「質問」ではなく自分の考えをクラス全体に「主張」する貴重な機会として捉えられ、成績もその個人の発言内容に応じて評価されてきます。

コールドコール

ケースメソッドによる授業ではコールドコールが利用されることがあります。これはクラス討論開始と同時に、教員から当該ケースに関する発言の機会が参加者1名に与えられる制度です。ハーバードビジネススクールをはじめ世界中の経営大学院が採用する授業の開始手法で、参加者にはケースに関する念入りな予習が求められます。指名された参加者には10分程度の発言が求められ、仮にその指名をスキップすると、その授業の単位を左右する冷や汗モノの制度。

最後になりますが、ケースメソッドでは以下の暗黙のルールが存在します。

1. 正解や不正解はない
2. 発言はクラス全体に対して
3. 授業への貢献度が成績に反映

1+1=2とならないのがビジネスの常識。なのでMBA教育では先人の事例(ケース)を教材とし、自分ならその状況でどう判断し行動するか、を追体験する事で経験値を高める事がケースメソッドの醍醐味といえるでしょう。したがって、ケースメソッドで学ぶ/教える者にとって重要なのは「1つの正解を求めない事」この1点に尽きると思います。別のコラムでもケーススタディに正解はあるのかについて解説していますので御覧ください。

講義(Lecture)

講義とはクラス討議を通じて深めた内容に関連して教員から補足的に解説する部分となります。ケース討論のクオリティはまさに即興的なライブの要素を含んでいますので、当然のことながら板書内容が同じ結果に至る事はありません。また数ケースで1つの学問領域を網羅することなど到底不可能です。したがって、こうした補足的な講義が存在するのです。講義はクラス討議の後に実施する場合が主流となります。



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