MBA教員による無料公開セミナー 次世代エグゼクティブ・フロンティアセミナー 。3月19日(土)に第57回を名古屋で開催しました。今回は東京とテレビ会議システムで繋ぎ、多くの方に参加していただきました。
金融システム、国際金融、金融市場が専門の大槻奈那教授
担当の大槻教授は、東京大学文学部卒、ロンドン・ビジネス・スクールにてMBA取得。日欧の金融機関を経て、2000年1月S&P金融機関格付チームヘッド、2005年12月UBS証券で金融機関の株式と債券の分析を担当。2011年6月には、メリルリンチ日本証券で、金融機関・内需関連セクターヘッドとして、金融機関を分析、各種のアナリスト・ランキングで常に上位を維持されています。またメディアでもご活躍されています。
テーマ《世界の金融危機に見る「攻め」のクライシス・マネジメント〜「危機」を「好機」を変えるには〜》
本セミナーでは、様々な過去の金融事例の共通点を振り返りつつ、危機の予知の可能性や、共通する要因について考えます。さらに「攻め」のクライシス・マネジメント(危機管理)について検討し、リスク要因を分析し、リスク回避と「危機」を「好機」に変えるにはどうすればいいのかを4つのセクションに分けて、受講者の方と共に意見を出し合いながら理解を深めました。
一つ目のセクションでは、世界の金融危機を題材に取り上げました。
第一次大戦後、アメリカは「狂騒の20年代」の経済的好況を手に入れましたが、1929年の世界恐慌で、株価暴落、景気急後退により多くの銀行が破綻しました。この世界恐慌の後も、米コンチネンタル・イリノイ銀行、S&Lなど数々の金融機関が危機を迎えます。この大恐慌以前にも数々の事例があったにもかかわらず、市場の崩壊を防げなかったのは何故か、また危機を予測することは可能なのかを焦点として、受講者の方より様々な意見が飛び交いました。
二つ目のセクションでは、高成長した中国経済へのリスクについて、金融市場における現在の景況をもとにリスク要因を分析しました。中国経済へのクライシス・マネジメント(危機管理)、対策は何かを議論しました。
三つ目のセクションでは、日本のマイナス金利導入について、欧州と日本のマイナス金利の「適用範囲」を比較分析し、株価やトレーディング益に及ぼす影響を探り出しました。危機回避に向けての取り組みと、その後の現在の動きを知り得ることができたと思います。
最後のセクションでは、大槻教授よりリスク管理の方法を教授していただき、「危機」を「好機」に変えるパターンをいくつか挙げていただきました。また、危機時はあらゆるものの価格が大きく変動する投資好機であると説いておられました。
このように、世界の金融機関の危機、中国の経済リスク、マイナス金利導入など、様々な事例をもとに、危機の規則性を分析することで、クライシス・マネジメント(危機管理)について理解を深めていただくことができたと思います。
定期的にセミナーを開催しております。見識を深める機会としてぜひお越しください。
次回セミナー日程につきましては、スケジュールが決まり次第、WEBサイトにてお知らせいたします。