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ネットワーク活動レポート

Network Report

税理士・公認会計士ネットワーク開催(第1部:2024年4月29日・第2部: 5月20日)

名古屋商科大学ビジネススクールの修了生・在学生がメンバーとなっている税理士・公認会計士ネットワークの第9回勉強会が「現代アートビジネスへの投資を税務のプロフェッショナルの視点考える」というテーマで、2部制にて開催されました。第1部では森アーツセンターギャラリー(六本木ヒルズ森タワー)で開催された「MUCA(ムカ)展 ICONS of Urban Art ~バンクシーからカウズまで~」を、第2部ではオルクドール・サロン東京で開催された「JUNKO KOSHINO ART EXHIBITION「白い影」展」を鑑賞しました。アートとビジネスの関連性については第6回勉強会でも討議を行い、その中でも今回は「現代アート」に絞って討議しました。特に、税理士や公認会計士等の専門家としてクライアントにアドバイスするためには、投資家、経営者や従業員の立場になって考えることも必要であり、今回の勉強会では、クライアントの視点から税務などの専門的なアドバイスを行えるように、ロールプレイングによる勉強会を実施しました。

第1部では、現代アート投資について、参加者同士でディスカッションを交えながら、理解を深めました。実際に現代アート投資を行っている参加者もいて、現代アート投資の魅力は何か、なぜその作品を投資対象として選んだのか、市場価格が異常なほどに高騰する作品は何が根拠となるのか、逆に人気作品だったのに市場価格が下落してしまう作品は何が原因なのか、そして、現代アートではなく株式などに投資するの方が良いのではないか等、活発な議論が行われました。また、現代アート投資に関する税制についても学び、個人で投資する場合と法人で投資する場合のメリットとデメリットを習得することができました。税理士や公認会計士等の専門家として現代アート投資家にアドバイスするには、そのリスクとリターンを鑑みて、他の投資手段を比較衡量したうえで選択肢として含め、さらに税制の影響を加味したアドバイスが重要だと学修することができました。

第2部では、現代アートを飾ることによる集客効果と、従業員の生産効率性の向上やイノベーションの創出などの効果について、参加者同士でディスカッションを交えながら理解を深めました。現代アートで装飾した空間を歩き回り、その雰囲気を実際に感じることによって、自身が顧客であれば来たくなる空間なのか、自身が従業員であれば働く気持ちにも変化があるのか、参加者が感じるがままに活発な議論を行いました。また、会社が現代アートを購入した場合の税制についても学びました。会社が絵画や美術品を購入した場合に損金経理できる要件を学修したうえで、さらに、税務調査を想定し、今回視察した空間に飾られた現代アートが会社経営に必要である旨、どのように税務調査官に説明するのかを討議しました。税理士や公認会計士などの専門家として現代アートを購入する経営者にアドバイスするには、そのコストとベネフィットを鑑みて、現代アートの購入費用よりもそれで得られる利益が上回るのかという経営意思決定が非常に重要であることを前提に、現代アート購入費用が損金経理できるか否かを含めた税制上の要件事実に関するアドバイスが重要だと学修することができました。

参加者からは「現代アート投資のリターンとリスクを鑑みて、また、税制の影響も考えたうえで現代アート投資をやってみたい」「今回の勉強会を通して、改めて現代アートが投資の対象となり、ビジネスの現場でも重要だと理解することができ、大変参考になった」「現在アートは理解しにくいが、現代アートはビジネスに影響があると思う」等の感想があがり、現代アートとビジネスに関する見識を広められた方が多かったようです。また、今回の勉強会の内容を総合的に考慮して、税理士や公認会計士としても、「現代アート」の投資や会社経営の利用について、税制を含めた視点から、クライアントにアドバイスする実務的な知識を習得することができたようです。


「税理士・公認会計士ネットワーク」とは


本学を修了した税理士・公認会計士が和となって、税務・会計スキルの向上、独立開業に向けた取り組み、事務所経営者としての経営スキルの向上などについて情報交換を行い、また励まし合いながら切磋琢磨し、税理士・公認会計士としてのスキルを向上・維持させるために設立されたネットワークです。