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EDHEC DDP Study Exchange report 留学レポート2022 Jun Qu

#留学 #リーダーシップ

2020年秋からフランス提携校EDHECのダブルディグリープログラムに参加しました。元々現地に留学する予定がCOVID-19の影響でなくなりました。私のようにフランスに渡航できない学生も多数いるため、EDHECはオフラインとオンラインでハイブリッドの形で授業を行いました。実際の状況としては、COVID-19の感染拡大が続く中、ほとんどの授業はオンライン開講となりましたがメリットもありました。まずはフランスと時差があるため、何とか仕事やめず勉強と両立することもできました。そしてグループワークが沢山あるため、オンラインで効率よくゴールに向けて進めるノウハウも身につきました。仕事と勉強を同時に進め、とても充実かつ大変な一年でしたが、今振り返ってみると、ダブルディグリープログラムに参加して本当によかったと思っています。この経験は宝物であり、今後の人生に生かせると実感しています。

EDHECについて
EDHEC Business School(エデック ビジネススクール)は1906年にフランスのリールに設立され、ニース、パリ、ロンドン、シンガポールにキャンパスと研究施設があります。EDHECはフランス及びヨーロッパにおけるトップクラスのビジネススクールであり、商業系グランゼコールです。EDHEC Business Schoolはマネジメント教育を評価する3つの国際認証機関(EQUIS、AMBA、AACS)全てから認証を受けていて、世界に73校しかない(全ビジネススクールの1%)のトリプルクラウン校です。フランスには大学のほかに、グランゼコールと呼ばれるエリート養成学校があり、大統領、首相をはじめとした国家の要職、大企業のCEOなどはみなグランゼコール出身です。グランゼコールへの進学が許されるのは同年代の若者のほんの数%のみとされています。


Jun Quさん

Jun Quさん

プログラムについて
NUCBビジネススクールとのダブルディグリープログラムでは、いくつかのプログラムの中から自分が参加したいプログラムを選ぶことができました。プログラムによってTOFEL/GMAT/TOEICなどの成績が要求されます。シラバスの概要などを見ながら、興味のあるプログラムを選んで、推薦状をNUCBビジネススクールの先生や会社からもらい提出して、EDHEC側のプログラムデレクトーが承認されればすれさんかすることができます。今まで営業のキャリアを積んできましたが、営業以外もスキルアップし、より俯瞰的な視野を持って、キャリアを築きたいと思っていたため、Marketing Managementを選びました。このプログラムはQS 2021世界ランキング7位で、Groupe SEB、Ubisoft などの企業もこのプログラムのスポンサーとして支援しています。クラスの構成は国籍豊かで、女性が多かったです。ダブルディグリーに参加するのはM2からとなるため、通常の学生はまず大学院に入学して1年次は在籍校で勉強し、その後1年間のインターンシップを経て、M2に進無というのが一般的です。ここでみんなある程度の実務経験を持ち、M2の科目についての理解が深まります。余談ですが、Marketing Managementはスポンサーが付いているため、毎年学生たちが自分で作ったクラスロゴを印字するセーターとぬいぐるみのテディベアがもらえます。(資料1)


資料1(My EDHECトップ画面)

資料1(My EDHECトップ画面)

学生生活
COVID-19の影響で、現地での留学生活はできませんでしたが、オンラインでの学生生活は基本My EDHECというシステムを利用して行いました。資料2のように、スケジュール/ラーニングプラットフォーム/図書館/成績など全部こちらを経由して見ることができます。ちなみにアプリもあるため、結構便利です。


資料2(無料LinkedIn learning、 Financial Times登録用メール)

資料2(無料LinkedIn learning、 Financial Times登録用メール)

そのほか、LinkedIn learning、Financial Times、その他学校が契約したソフトウェアなどが在籍中無料で使えるため、学校の授業以外の学びと情報収集に役立ちます。(資料3)  
また、現地に行ける学生に対してのサポートも充実していました。例えば、フランスでの生活に必要な情報(住まい、住宅補助金、口座開設、住民登録)などが定期に届きます。もし現地に行く場合も安心して手続きが進められると思います。  


資料3(無料LinkedIn learning、 Financial Times登録用メール)

資料3(無料LinkedIn learning、 Financial Times登録用メール)

オンライン授業
My EDHECでは、自分が受けているコースのリストを確認することができます(資料4)。授業自体はBlackboard Collaborateシステムを利用し、先生が授業を行い、質問があれば、チャットや挙手ボタンなどでいつでも聞くことができます。オンライン授業のため、先生が録画したら、いつでもこのシステムで見ることができます(資料5)。
NUCBビジネススクールの授業と比べると、EDHECの授業は講義が中心で、学術的の知識を多く学べます。Caseはグループワークとして利用することが多いです。授業中はとてもフランクな雰囲気で、質問があるときはいつでも先生に質問することができました。


資料4(My EDHECコース一覧画面)

資料4(My EDHECコース一覧画面)


資料5(オンライン授業システム録画)

資料5(オンライン授業システム録画)

授業の量について、1学期約10科目があり、毎週6授業前後あります(資料6)。フランスと日本の時差ですが、ヨーロッパはサマータイムがあるため、通常時の時差8時間、夏時間の時差7時間。フランスの授業は大体現地時間の9時から16時が多く、日本時間で換算すれば17時から24時で行います。時間的に一番きついのはフランス語の授業、こちらは必修科目で、日本時間の夜中1時~3時に行いました。


資料6(第一学期授業スケジュール表)

資料6(第一学期授業スケジュール表)

成績評価については先生によりますが、基本的には、個人アサインメント、グループアサインメント、期末試験の3つで評価が決まります。そのため、期末試験だけで評価が決まる科目はひとつもありませんでした。資料7のように、いくつかの成績の加重平均で算出されます。


資料7(Quantitative Marketing Research Courseの評価基準)

資料7(Quantitative Marketing Research Courseの評価基準)

授業の中のグループワークはCaseをベースしたものもあり、実際企業からの課題もあります。例えば、Group SEB (T-Falの親会社)、ロレアル、LVTMからの課題で、各グループが案を出し、実際に企業の担当者にプレゼンをする機会があります。さらに選ばれた優勝者はその企業へ行き、役員会の前でプレゼンすることもできました。学生としてなかなか経験できないことなので、とても良い機会だと思います。
第2学期から、授業は全体的に2つの分野に分けて行います。Entertainment とLuxury & Fashion2つのコースがあり、それぞれの分野に中心を置きながら講義を進めます。私の場合Luxury & Fashion を選びましたが、Entertainmentを選んだ同級生と情報共有したところ、この2つのコースは共通している部分が多かったです。例えば、デジタルマーケティングやCRMなど現在のマーケターが欠かせない知識を軸に、それぞれエンターテイメントとファッションの要素を入れて、分野に合わせたケースを使用しながら授業を進めました。そして分野に合わせて、日本で言うと修学旅行のようなツアーにも学校全費用負担で行くことができます。今年はCOVID-19の影響で行っていないですが、毎年注目のイベントとして、学生たちの楽しみのひとつとなっているようです。私が参加したLuxury & Fashionで今年予定されていたのはフランスグラースにあるNatural ingredients分野で世界一のメーカーRobertet Group の訪問だったそうです。

印象に残った授業
International Marketing Strategyという授業が一番印象に残りました。この授業ではEDHECのMarketing Management 専攻学生全員で参加し(各チーム4人で合計30チーム)、オンラインでビジネスゲームをします。EDHECは毎年お金をかけてビジネスゲームを専門業者から購入し、ゲームを通じて学生たちに実体験を持たせることを重視しています。今回授業で使ったビジネスゲームは仮想の旅行代理店経営で、チームと一緒にオフィスを立ち上げ、売るプランを選び(資料8)、会計事務所を選択し(資料9)、従業員を雇い(資料10)、旅行プランに必要なリソースを備え(資料11)、広告などを使って(資料12)、チームメンバーと一緒に意思決定して、7ランドのゲームで‘競合’より利益を出し、会社を成功に導くことが目的です。このゲームはほぼリアルのビジネスが再現されていました。ただプランを作って売って終わりではなく、従業員満足度、顧客満足度、仕入相見積もり、プロモーション手段などによって、競合と競争して顧客を獲得しなければなりません。参加するチームが多ければ多いほど競合が多くなり、結果予測不可能となります。そこで一番難しい部分は短時間でチームメイトと一緒に意思決定すること。各ランドが終わってから30分前後の時間しかないため、限られた時間で10項目以上の意思決定をしなければなりませんでした。かつ、そして対面でできないことのはさらにそのハードルを上げました。ゲーム中は試行錯誤しながら、競合の行動を分析し、競合に合わせて定価やマーケティングプランを調整し、最終的には6位でゲームを終わりました。ゲームを通じて、「価値提供を明確にする」と「チームプライ」の大切さを改めて認識しました。自分が何をしたいのか、何を提供したいのかなどを明確にしないと、つい競合ばかりを見てしまい、価格戦争に落ち入りやすいと思います。そして1人の力には限界がある、しかしただ人を集めるだけでは「チーム」と言えません。「三人寄れば文殊の知恵」という諺がありますが、やはりこの‘三人’が同じ目標を目指し、力を合わせ、お互いを信じてこそ、はじめて課題解決に繋がるのだと思いました。

因みに、YouTubeにこのゲームの方法が載っていますので、興味がある方は下記のリンクからご覧ください。
https://youtube.com/playlist?list=PL5r6S1K78Zp9QdbLvbDO5z_V-o7L6mTlY


資料8(選べる販売プラン)

資料8(選べる販売プラン)


資料9(選べる会計事務所)

資料9(選べる会計事務所)


資料10(選べる従業員)

資料10(選べる従業員)


資料11(選べるリソース/仕入)

資料11(選べるリソース/仕入)


資料12(選べる広告)

資料12(選べる広告)