EDHECビジネススクール(フランス)でのダブルディグリープログラム : 福岡 奈絵
動機
EDHECビジネススクールでダブルディグリーを取得しようと思ったのは、自身のスキルを強化する必要性を感じたからです。フルタイムで働きながら週末型のMBAに通っていた際、短期留学制度を用いて、NUSでの交換留学プログラムに参加しました。そこでグローバルに活躍する学生との意見交換を経て、さらなる挑戦への意欲が湧きました。
選択科目の選定理由は、実務を通して分析スキルの重要性を学んだからです。当時、プロジェクト管理の仕事に従事していた際、常にデータに基づいた戦略的な洞察や施策提案が求められていました。日々のタスクやステークホルダーとの合意においていかにデータ分析能力が重要かを痛感しました。この経験から、今後データドリブンな意思決定ができる人材になる為には、強力な分析スキルが必要であると認識し、EDHECでMSc(データ分析およびAI)を取得することを決意しました。
タイムライン
• 4-5月 ダブルディグリープログラムの候補の洗い出し等、選定。
• 6月 NUCBを通じた応募手続きと、ビザ申請を開始。
• 7-8月 基礎オンラインコースを修了(Pythonと統計学)。
*マーケティングとファイナンスの科目はMBAで学習済の為免除。
• フランスに移住するために仕事を辞める。
• 9-12月 第1学期科目と試験を修了。
冬休み(1〜2週間)
• 1-2月 第2学期科目と試験を修了。
春休み(1〜2週間)
• 3 – 5月 選択科目(Personalization Period)と試験を修了。
• 6月 修士論文を提出・発表。
• 7月 インターンシップ(任意)
• 10月 卒業
プログラム概要
私はEDHECビジネススクールのMSc(データ分析およびAI)プログラムに入学しました。このプログラムではすべての授業が英語で行われ、クラスメートはヨーロッパ、アジア、アフリカ、北米、南米から集まっており、非常に国際的な視点を持つことができました。プログラムは1学期、2学期、選択科目期間(パーソナライズ期間)の3つの期間で構成されています。
1学期
カリキュラムには、Python、統計、データマイニング、Power BI、Web分析(SQL)、研究方法論、ビジネス倫理、フランス語が含まれます。私は先着順の登録制により、マーケティングを希望していましたが、VBAを取得することになりました。今後の学生には、希望する3つのコースのリストを準備しておくことをお勧めします。
2学期
2学期では、データサイエンスコースとビジネスインテリジェンス・ビジネス分析のどちらかを選択します。私はビジネスケースにデータを効率的に活用する方法を学ぶために後者を選びました。カリキュラムには、People and Operations Analysis、Data-Driven Insights、Natural Language Processing for Business、Social Network Analysisが含まれます。このコースでは、リソース管理、マーケティング、戦略、そして人材管理のためにPythonを使ってデータを分析します。この学期は、データ駆動型の戦略を実践し学ぶことができるため、特に興味深く有用でした。第1学期にカバーされた基本がこれらの分析に不可欠でした。
選択科目・Personalization Period
Personalization Periodと呼ばれるこの期間中、通常の選択科目、Microsoftが提供するオンラインコース、短期交換プログラム、そして証明書コースなど、自身の専攻科目問わず、幅広い科目から選ぶことができます。私は自身の経験に合わせてプロジェクト管理の証明書コースを選びました。選択した科目によっては試験もありますのでシラバスをみて決めるのも戦略です。
修士論文
テーマを決定した後、指導教授を選ぶ必要があります。私はテキスト分析に焦点を当て、この分野に精通した教授に連絡しました。彼の指導は非常に貴重で、実際のビジネスケースに役立つ深い理解と実践的なスキルを身につけることができました。今後の学生には、自分の分野に関連する教授を見つけることを強くお勧めします。
EDHECでの生活
EDHECでは、学生にOffice 365のアカウント、ジム、プール、プリント設備の無料アクセスが提供されます。キャンパス内の居住者には、月曜日から金曜日まで朝食が提供されます。他のダブルディグリー学生もいるものの、コースの違いから交流は主に正規で入学してくる他のクラスメイトとの間で行われます。この多様性は学問を超えて広がり、活気に満ちた豊かな教育環境を形成しています。私のコホートの平均年齢は約25歳です。
深めた知見
データ分析やコーディングの経験がなかったため、オンライン講義と一学期は、これまで以上に勉強に専念しました。この挑戦は非常に貴重であり、データ処理、統計、データマイニングの確固たる基礎を得ることができ、第2学期に向けた重要な基盤を築くこととなりました。第2学期はビジネスケースに焦点を当てています。第1学期で得たスキルを使って、さまざまなデータセットをコーディングし分析することができ、実際のビジネスに活用できる手法を習得しました。非常に有用で重要であると考えています。マスター論文では、学年を通じて得た知識を応用でき、EDHECでの学びと経験をさらに深めることができました。
EDHECでの他のダブルディグリープログラム
EDHECでは時折、他のダブルディグリーの学生と知り合う機会があります。私はノルウェーとドイツからの学生と非常に仲良くなりました。一方はEDHECで法学を、もう一方はサステイナビリティ(持続可能性)を学んでいました。私たちはお互いの科目の違いや、EDHECとそれぞれの母国の教育機関との比較について話し合いました。タイムラインは似ているものの、試験の数、授業の進め方、科目の選択肢の数には大きな違いがあります。今後の学生には、専攻を選ぶ前にカリキュラムを慎重に確認することをお勧めします。
将来の学生へのアドバイス
必ずしも重要ではないのですが、自身がもし留学前に知っていたら便利であったであろう内容を簡単に記します。
- ダブルディグリープログラムの学校選び:リサーチが重要です。学校のウェブサイトを訪れ、興味のあるコースのシラバスを注意深く読み、授業内容と卒業要件を確認すると概要が得られます。
- ダブルディグリーの準備:EDHECは、宿泊先の確保、必要な書類の取得、ビザ申請などに非常に協力的でした。
- 勉強: コースメートと一緒に勉強し、アイデアを交換することが理解を深めるのに役立つかもしれませんが、必須ではありません。また、シラバスを見ると評価割合等の詳細が記載あるかと思いますが、異なるバックグラウンドを持つ人々と協力するグループプロジェクトもあります。