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留学レポート
Student Reports
2016年3月7日-11日参加レポート
メキシコにある提携校、IPADE Business Schoolで開催されました短期EMBA"Doing Business in Mexico-Emerging Market"へ、本学マネジメント研究科所属の菊地さんが参加されました。
プログラムの参加人数は全部で240名。メキシコ・日本を含む21ヵ国より様々なバックグラウンドを持った学生が集まった。
教授陣によるセッションではメキシコ日産自動車のV字回復や、映画館のサービス提供に関するケーススタディ等、1日2ケースを実施した。ケースは世界共通の要素で記述されているが、違う点は英語であることはもちろんのこと、テンポの速さが日本の3倍くらいは早い。特に印象に残ったのは「カンクーンのリゾート経営」に関するセッションで、メキシカン向けには「自国の価値の再認識」、外国人向けには「メキシコの価値のプレゼンテーション」と、同じ講義なのに、視点が交差して、非常に有益であった。
メキシコのビジネスオポチュニティの説明の目的で、Googleメキシコに勤務するIPADE OBや、P&Gメキシコの元CEO、キッザニアのCOO等、複数の業界のExecutiveが、様々な視点で講演を実施した。
メキシコ以外のEmergency Marketとの比較が印象的で、ポートフォリオの数字だけでなく、NAFTA(北アメリカ貿易協定)や政治的な要因も理解できた。現地で成長を続けた人の生の声によって、数字の背景を知ることができた。
BINBO(世界一のパンを生産する企業)、キッザニア(エンターテイメント)等の現場見学を実施した。想像以上にオペレーションが現代化しており、先進国と技術レベルは遜色ないように感じた。
カテドラル、人類学博物館、テオティワカン遺跡等、メキシコを代表する史跡へ、チームビルディングも兼ねて観光した。アステカ文明がスペインの侵略を受けて、ガラッと様子を変えるメキシコの歴史は、一言でいうと、悲哀に満ちている。「コンドルは飛んでいく」という曲は、ペルーの曲だが、メキシコや中南米諸国の文化的特徴を端的に表していると思った。
「メキシコのビジネスモデルを海外にExportする」もしくは「海外のビジネスモデルをメキシコにimportする」というテーマで、7人1チームで5時間程度のディスカッションおよび5分のプレゼンテーションを実施した。私のチームはメキシコ人、中国人、ペルー人と私で構成されていた。議論の過程はまさにグローバルで、メキシコ人は議論を経るにつれて、ヒートアップしていき、実際に喧嘩に近いやりとりが交わされる。また、自分にとっては英語でのやりとり、プレゼンテーションが通用するか心配だったが、英語力以前に積極性の方が重要なように感じた。チームとしては、「本物のタコスを海外に輸出する」というアイデアとしてはチープだったが、どの国に輸出するか、どういった顧客をターゲットにするのか、オペレーション上の強み、弱みはどこか、ポジショニングはどのように置くか等、私たちが日本で学んでいるフレームと同じように議論が展開していくので、フレームは万国共通で議論するためのツールになりえることも新しい発見であった。
毎朝のランチではチームのメンバーと同じテーブルを囲むことにより、コミュニケーションを促進するような仕組みができている。メキシコでは朝食も最低1時間、昼食は1時間半程度で、10分でランチをすませるような環境にいる自分の立場では、うらやましく感じた。また、生徒5人に1人程度の給仕がついており、生徒が学業に専念できるような環境が構築されている。また、MBAプログラムに通学する生徒は、現地では富豪の子息が多いとのことであり、日本は格差社会とはいいつつも、諸外国と比較して、貧富の差がかなり小さいと感じた。
・地理
高地の印象があるが、実際は海に囲まれており、高低差もあることから、海沿いは亜熱帯、高地は寒暖差が激しく、砂漠もあるような、非常に彩りに富んでいる。
勘違いされやすいが、メキシコは南米でなく、北半球に所在する。
・産業
商業は為替、政情が安定しており、労働力が安価であるため、各種外資系企業が積極的に進出している。工業は北米、南米向けの自動車生産の拠点となっており、トップシェアは日産が占めている。農業も国土の地理的多様性を活かして非常にさかんで、マンゴーのような南国の果物から、米、畜産等まで、安価な労働力を背景として、成長している。一方、サービス産業については外資系が台頭しており、これからの課題となっている。
・治安
出発前はメキシコの治安に関して、相当の不安があった。あるソースによると世界で最も治安の悪い国の一つということが言われていたが、全くそんなことはなかった。中心エリアは100m毎に警察官が配置されているような状況で、道でもスマホを見ながら歩いている人や、ジョギングをしているような人はたくさんいる。また、走っている車も新しい車が多く、10年以上連続で、GDP成長を続けている景気の良さがうかがえた。
南米大陸には初めて足を踏み入れたが、自分の期待と同一だった部分と、異なっている部分があり、斬新な発見がたくさんあった。また、他国の文化と日本の環境を相対的に比較することにより、日本の当たり前が世界の当たり前でないことを、改めて体感することができた。グローバルな視点ということで、自分の今後のキャリアだけでなく、プライベートの過ごし方にも大きな影響があったように考えている。NUCBAでは、交換プログラムが整備されているので、MBAに在籍する他の学生にも、普段の生活とは違う、刺激を海外短期留学を通して経験できるので、ぜひ、積極的に制度を活用することをお勧めしたい。なお、IPADEへの留学はしっかりしたホテルや食事、観光等もセットになっている上に、費用も10万円以内なので、経済的であることを付け加えておく。
東京校 マネジメント研究科所属 菊地俊介さん
本学は世界各国100校以上のビジネススクールと提携を結んでおり、そのほとんどの学校で授業料免除で交換留学に参加いただけます。ご興味のある方は大学院事務局までお問い合わせください。
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