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アントレセンター長インタビュー『アントレプレナーシップとは、必ずしも独立開業ではない』

Q. アントレプレナーシップの概念を教えてください。

 アントレプレナーシップは起業精神と訳されます。ところが、この“精神”という訳は、アントレプレナーシップの真髄を捉えきれていないように思うのです。概念を問われれば、それは「自分の力で“新しい何か”を創り出す」ということでしょう。“新しい何か”の中身は様々で、例えば「新しいビジネス」や「新たな価値」「新たな手段」などが当てはまります。「アントレプレナーシップとは必ずしも独立開業することではない」というのが、私の信念です。
 イノベーションとアントレプレナーシップは、近い関係にあります。ドラッカーも、アントレプレナーはイノベーションを起こす人あると語りました。つまり、起業家でなくても、どんな組織にいても、例えば公務員であっても、アントレプレナーシップを発揮することができるのです。

Q.アントレプレナーシップを発揮するとは、どういうことですか。

 近年は、アントレプレナーシップが起業活動と訳されることも増えてきました。私もこの解釈に賛成しています。大切なのは、精神にとどまらず行動するということなのです。
 私が独立開業したのは、1993年のことです。それ以前も、外資系コンピュータ会社の中で、新規事業をいくつも手がけてきました。そうした経験から思うに、アントレプレナーシップに内包される意味の大部分が“行動”と言ってよいでしょう。行動あってこそのアントレプレナーシップなのです。行動と成果の関連性については、様々な議論がされています。IDEOのCEOであるトム・ケリーは「積極的な行動をより多く起こす人ほど、イノベーターとしてのパフォーマンスが高い」と語っています。行動せずして「自分の力で“何か”を創り出す」ことは不可能なのです。

Q.アントレセンターの役割について教えてください。

 アントレセンターは、自分の力で「新しい何か」を創造したい人の活動を応援します。そうした人たちの活動のきっかけの場でありたいし、背中を押す存在でもありたいと考えています。もし、アントレプレナーシップを発揮することに躊躇し、足の踏み出し方に悩んだ時は、いつでもここに来て、時間を共有してもらいたいと思います。