留学生の日本での就職活動《Global MBA》
名古屋商科大学ビジネススクールの留学生、Ivan Petrovさんを紹介します。Ivanさんはブルガリア出身の留学生で、9月の卒業を前に愛知県内での就職活動に成功しました。IvanさんはGlobal MBAのMScコース(2年)に在籍中で、大学院の勉強に加えて日本語能力の向上に向けての努力を重ねた結果、先日日本語能力検定試験3級を取得されました。
Q1. なぜ日本での就職を希望されたのですか?
日本が世界に誇れるものは質の高い製品だけではなく、日本人のビジネスに対する考え方だと思いました。日本の多国籍企業は海外では競争力に欠けると言う人もいますが、私が思うには日本の企業は違う土俵で自分たちのビジネスを行っているのだと思います。長期的な視野を持ち、従業員と顧客中心のビジネスプランニングを行っています。私はCSR (企業の社会的責任)の未来は日本での経験によって大きく向上すると信じていますので、これからそれを学ぼうと思っているところです。
Q2. どのように就職活動を行ったのですか?
海外からの受注の多い日本の「ものづくり」企業(製造業)での就職を希望していました。「郷に入りては郷に従え」の諺の通り、私は日本での一般的な就職活動を行うことにしました。2012年の冬から就職フェアや企業訪問に参加し始め、リクナビ、マイナビ、マイナビグローバルといった有名な就職サイトにも登録し随時留学生関連の情報の収集を行いました。1月、2月頃にはエントリーシートを提出し始め、2月の終わりには最初の面接が始まりました。その後、名古屋外国人雇用サービスセンターで面接の練習ができるということを知りました。4月の終わりには多くの面接の経験を積み、5月中旬に内定をいただきました。
Q3. 名古屋商科大学ビジネススクールでの学修は就職活動にどの様に役立ちましたか?
名古屋商科大学ビジネススクールでの学修はお就職活動に大いに役立ちました。まず、日本人の教授と直接話をし、アドバイスを貰えたことです。私の就職活動の間中ずっとアドバイスをくださり、サポートしてくださった教授の方には本当に感謝しています。教授のお陰で私の能力は大いに向上し、また結果として内定を得ることが出来ました。また、本学の先輩と連絡を取り続け、彼らの就職活動の経験を沢山共有してもらえたことも大いに役に立ちました。
Q4. 日本での就職活動の感想はいかがですか?
数ヶ月間続けても内定が貰えない状態が大いにありえる就職活動はとてももどかしいものだと思います。しかし他方で、私は常に楽観的に構え幅広く企業のリサーチを行いました。ある時点では、英語の “job hunting”という言葉にあるように就職活動は”hunting”もしくは”fishing”のような状態になりました。西洋ではどんなタイミングでも企業に履歴書を送ることが出来ますが、日本ではウェブサイトでエントリーを下後、エントリーシートの受付が始まるまで辛抱強く待ち続ける必要があります。そういう理由もあり、私は早くから計画を立て、新しい状況を得るたびにスケジュールの管理を見なおしたりしていました。インタビューでは日本人の面接官との対話を大いに楽しみましたし、面接の経験は私に日本の文化についての新しい見解を与えてくれました。異なる企業について学び、自分自身についても多くを学びました。私の長所、短所、そして夢などです。就職活動はまさに人生を変えるような経験でした。
Q5. 日本語能力はどのようにして上達させたのですか?
言語の修得は決して容易ではありませんし、努力と根気が必要です。私はこのことを忘れずに、自主学習で単語と漢字の勉強を一生懸命がんばりました。それだけでなく、個人レッスンの先生を見つけることができましたので、文法や会話の練習をすることも出来ました。日本人の良い友人ができたことも幸運なことでしたし、日本語でどんどん会話をするように努めました。大学院事務局ではアルバイトをさせていただき、日本で働くことがどういう物なのかを知ることができ、積極的に日本語を使う機会に恵まれました。就職活動をはじめたことで、日本語のウェブサイトを参照したり説明会や面接で日本語を使う機会が増えたことで、より日本語の勉強にも力はいりました。このような多くの要素が重なり合って、日本の文化を多方面から見る機会を得たことによって、私は日本語能力を向上させるのに適した環境に恵まれることができたと思っています。
Q6. 今はどんなお気持ちですか?
人生の重要なステージをクリアできたことにとても安心しています。自分自身の選択に満足していますし、仕事を始めるのが楽しみです。就職が決まったことで日本語の勉強にあてる時間もできましたので、これからはこの日いづる国での「社会人」生活の準備を始めたいと思います。