令和2年度 - 入学式祝辞
令和2年度新入生の皆様
御家族の皆様
名古屋商科大学大学院第31回生、名古屋商科大学第68回生、そして世界18ヵ国の交換留学生、総勢909人のご入学、誠におめでとうございます。学部新入生の皆さんは、希望に満ち、将来の夢を追い求めて大きく成長することを、そして大学院生の方々におかれましては、次世代のリーダーを目指して実務と学修とを両立する、新たな生活に期待を膨らませているものと思います。
本日はゲストスピーカーとして、IMDの前学長であられる、ドミニク・ターピン博士をスイスよりお招きする予定でした。IMDはドミニク博士の貢献によりその社会人教育において世界でトップの地位を確立し、遠隔教育でもその存在感を高めているビジネススクールです。同時に同氏はブランドマネジメントの領域において100本を超える著書、記事、ケースを発表されている研究者です。新入生の皆様にドミニク博士から頂いたお祝いのメッセージをウェブサイトにてご紹介させていただきます。
さて、今日から始まる学生生活は瞬く間に過ぎ、私たちを取り巻く社会環境も日々刻々と変化していきます。皆さんが名商大での学生生活で修得すべきは、すぐに使えそうな断片的な知識ではなく、何かを成し遂げるための技術でもありません。修得すべきは困難や失敗に直面しようとも高い志を持ち、道を切り開き歩もうとするリーダーとしての「姿勢」です。このことを忘れずに常に前を向き、そして前へ進んでください。
私たちの理想とする教育とは、IMDと同様に活発なケース討議を通じて不確実かつ限られた情報で決断を下す経営者の意思決定を追体験する場です。そして今、多くの経営者は、決断力、行動力よりも「これは危険だ」と恐怖を感じる感性こそがリーダーに求められる「経営力」と振り返っています。私たち教員もこうした国際社会が求める高度な人材を育成できているか、複数の国際認証を通じて自問自答し続けていきます。
本学園は今年で満85年を迎えます。この長きに亘る歴史において、名商大はマネジメント教育とはいかにあるべきかを真剣に考えながら、突き進んでまいりました。名商大の教育の根底に流れているのは、創立者栗本祐一先生が若き頃、カナダに留学し、そこで得た尊い精神であります。彼の願いは非常に簡潔でした。「開かれた道を行くな、未踏の地を歩め、そして切り拓け」ただそれだけです。今から80年ほど前に、彼は私たちに輝く未来を約束したのです。本日ご入学される皆様が、この建学の精神を在学中に体得され、心から『名商大に入学してよかった』と感じていただくことを堅く信じています。
令和2年4月1日
学校法人 栗本学園
理事長 栗本 博行
Commencement Remarks from Dr. Dominique Turpin - Former Dean & President of IMD
名古屋商科大学は、昨今の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響に鑑み、令和2年4月1日に予定しておりました令和2年度入学式を中止いたしました。写真は前年度に撮影されたものとなります。