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税理士・公認会計士ネットワークが開催されました(2022年9月3日)

名古屋商科大学ビジネススクールでは、2022年度に発足した「税理士・公認会計士ネットワーク」の第3回勉強会が2022年9月3日に、名古屋キャンパスにてハイブリッド形式で開催されました。今回は本学会計ファイナンス研究科(東京)を修了された小笠原紳一さんが「IBM事件の真相ー租税争訟の舞台裏と法律論争ー」というテーマで講演されました。
IBM事件は多くの租税法学者及び国税OBの税理士の方々に論評され、租税に関わるプロの方々が大変興味を持っている議題の一つです。IBM事件が起こった当時小笠原さんはIBMの税務部門の責任者という立場にいらっしゃったため、今回の講演では当事者であったからこそわかる事件の裏側について以下の項目をテーマとして事細かにお話いただきました。

  • 事件の渦中、責任者として何を考えていたのか
  • 連結納税制度適用申請までにどんな事実があったのか
  • IBM社内をどのように説得し味方にして協力を得たのか
  • 関与税理士内の亀裂や弁護士に依頼した理由
  • 如何なる戦略で税務調査・訴訟に持ち込んだのか
  • 事実審である地裁・高裁で、課税当局がとった戦略と裁判官がどのようにIBMを評価したのか

講演の最後には、IBM事件以降の租税訴訟における法132条1項租税回避行為判断枠組みの「取引」概念の射程拡大の可能性(法132条の2の余波)についてご解説いただきました。

租税に関わる専門家の興味・関心が高いIBM事件というテーマについて当事者からお話を聞ける貴重な機会ということもあり、本学会計ファイナンス研究科の教員も出席し、多くの質問が飛び交いました。また、参加者からは「企業内で実際に起こった事件についてお話いただくことで、自身の顧客で同様の問題が起こった時の対応方法について理解することができた」との声もあり、今回の勉強会会合に参加することでご自身の税務・会計に関する学びが深まったと感じられた方が多かったようです。

「税理士・公認会計士ネットワーク」とは

本学を修了した税理士・公認会計士が和となって、税務・会計スキルの向上、独立開業に向けた取り組み、事務所経営者としての経営スキルの向上などについて情報交換を行い、また励まし合いながら切磋琢磨し、税理士・公認会計士としてのスキルを向上・維持させるために設立されたネットワークです。