ファミリービジネス白書2018年度版:100年経営とガバナンス
日本では、同族企業とも言われるファミリービジネスに対し、あまり印象が良くない。しかしながら、創業100年を超える長寿企業が極めて多く、全世界の約35%を占めるほどであり、その多数がファミリービジネスである。海外でファミリービジネスは、地域経済への貢献などに誇りや自覚を持って運営されているため、日本人が驚くほど高い評価がなされており、中国やASEAN諸国から日本へ、その経営戦略や事業承継を学びに来るほどである。
それを受け、わが国でもファミリービジネスへの関心が高まりつつあり、今世紀初めから学術的な研究も進んできている。その一方で少子高齢化や事業承継の難しさから廃業に迫られるファミリービジネスも増えており、今後、日本の産業基盤を損なう可能性まで指摘されている。
本書では、このような状況の下、企画された白書であり、上場しているファミリービジネスの経営分析や、ファミリービジネスのガバナンスの研究を行っている。