本学では、リーダーシップ教育で世界的に著名なIMDで行われる6日間の短期集中MBA(OWP)への参加を支援しています。
2017年6月参加レポート
今回の参加人数、339名、50カ国からの参加でした。現在、就業しているイケアでもここまでバラエティーのある国々から集まることはないので、授業だけではなく、NET WORKINGの構築をするためにもとてもよい機会になりました。
授業プログラム
午前 2 sessions + Optionで、IMD MBA学生のプレゼン
午後 2 sessions + Guest Speaker
渡航前、約1ヶ月半前にIMDからメールにて、連絡があり、午前に行われたPlenary Sessions, Morning Stream、また、午後のAfternoon Streamにて各8つのテーマから1つずつを選択し、8つのグループに分かれて授業を受けます。残りの午後のSessionは、5つのテーマから当日1つを選びます。そして、Keynote Speaker Sessionという、Guest Speaker Sessionは、大講堂にて全員で受講します。
また、午前のSessionの前7時半より45分間にて、現在IMDのMBAの生徒による現代ビジネスにおける様々な角度からの考察のプレゼンを聞くことが出来ます。
よって、1日フルで受講した場合、朝の7時半から、夜の7時15分までSessionsがあることになります。
昼食、夕飯は、このプログラムの料金に含まれており、バフェスタイルで、毎日美味しいものを提供してもらいました。IMDの素晴らしいところは、“NET WORKING”ということを非常に重要視しており、テーブルが大きなものを設置しているため、学校内にて知り合った人だけでなく、テーブルではじめて会う人たちなどみんなで会話をしながら楽しく食事をとることができたので、私も、たった5日間ではありましたが、授業中だけでなく、この時間に多くの人たちと知り合うことができました。
午前の部
Plenary Session
私は、8つのテーマから、Strategy, Leadership, Sustainability, Globalizationを選択しました。
Leader ship
この選んだでも、Leader Shipの講義は、非常に印象深い講義でした。IMDの副学長が、アラブの春の後の政府にて、首相の側近として活動していたという非常に稀な経験をしてきたときの話を通して、新興国におけるリーダーシップや、ガバナンスなどをどのようにしていくべきか、ということを学びました。副学長の経験はあまりにもエクストリームでしたが、我々の日々のビジネス活動において、Turbulent(不安定な)局面などにても、マネジメントチームがどのようにまとまり、また、リーダーとしてどのように振る舞い、様々な困難に対処していくかのTIPを学ぶことができました。
Sustainability
このSustainabilityの講義は、今後、講義を受けた各人が各々の会社にももどり、このテーマを再度検証すべき事項だと思わされるものでした。この講義は、Sustainabilityと名を打ち現在多くの会社がこのテーマを“利用”してビジネスを行っているが、その“言っている事”と、実際に“行っていること”に乖離が多く生じているのではないか?という講義でした。改めてSustainabilityの定義を、人、地球、そして利益の点からみて、ビジネス活動における環境に対する影響を最小限化しながらも、人が快適に暮らすことができ、利益を生むような活動を長期的に続けることができること、としていました。この定義に則して考えた場合、特に、多くの企業が取り組んでいるリサイクルという活動は、現状、Sustainabilityとして全くその機能を果たせていないとして、“ZERO WASTE”にビジネスはシフトしていくべきだとしていました。例えば、プラスチック(ペットボトルなど)は、たった3%しかリサイクルされておらず、その大半が”ゴミ“として扱われ年間245万トンものプラスチックが海など捨てられてしまっており、海中生物の生態系や、環境に深刻な影響を及ぼし続けてしまっている事実があります。プラスチックは、1例に過ぎないですが、企業として、Sustainabilityをビジネスとして活動していく場合、LINER(直線)ではなく、CYCLE(循環)を考え、STAKE HOLDERを社内だけでなく、外部を巻き込み長期的なビジョン”次の世代にどのように貢献できるか“を再度考え実行していくことが重要とする講義でした。
Morning Streams
私は、8つのテーマから、現在、私が勤めている企業が小売業のため、この顧客がビジネスをリードするというテーマに非常に興味があったため、Strategic” The Customer-Led Business” を、選択しました。
私の勤めている企業も含め、多くのの小売が店頭からWEBになど一見、エンドユーザーとの接点がドライになってきていると思いがちな、デジタル時代になっている現在でも、多くの企業が“顧客主義を重要視してきています。5日間の講義を通して、4つのケースを通じて、以前よりも顧客の志向を捕らえることが難しくなってきている現在にて、どのようにリーダーとして会社を導いていくべきかを学びます。NUCBでもあったケースのその後の状況を扱ったものは、そのバックグラウンドを学んだ上での講義になったので、さらに親近感を興味がでて非常に面白いものになりました。ここでの面白い切り口、分析にて、成功している会社が全て顧客志向にてそれがなしえているわけではない、と、いうことがありました。例えば、ディズニー映画、タイトルや、主人公などは勿論変わりますが、そのストーリー(起承転結)は、起=HAPPY、承=困難、転=克服、結=HAPPYという、ある程度の”公式“をもったものになっている。また、自由という定義にしても、米国は全くの規制のなくなんでも自由に活動できる国ではなく、ある程度の枠組みの中で、人々は、その自由をもっている。つまり、顧客志向が大事だからといって、御用聞きのようなビジネスの進め方では、会社の未来はないということが言えるという大変興味深い講義でした。
確かに、御用聞きのビジネスをしてきた、日本の百貨店ビジネスは衰退をしており、顧客志向と御用聞きは一緒ではないことが言えると思いました。例えば、講義の中であった事例のI-Phoneがあげていました。そのシェアは非常に大きいですが、ANDORIDが、数百の種類の機種を発売していることと比較した場合、その選択の余地は非常に少ないです。つまり、顧客志向とは、お客さまにその選択の余地を多く与えてもそれが一概に機能しないということが言える、としていました。ビジネスリーダーとして、顧客志向はどこにあり、それが、本当に必要とされているものかをきちんと見据えなければそのビジネスが衰退する可能性が大いにある、という非常に興味深い5日間の講義でした。
総括
IMDはたった1週間のプログラムでしたが、私にとっては、確実にMore than a weekの経験になりました。名古屋商科大学ビジネススクールがなければこのプログラムをしることもできませんでした。このような機会を持てたことは、欧州での権威のあるビジネスクールの講義を受けられただけでなく、最初に書いたよう、”NET WORKING”の構築に関しても非常に大きな意味を持ちました。1回参加すると、名古屋商科大学ビジネススクールを卒業してもこのプログラムは受講可能で、中には3回目だという方もいました。私も午前、午後の各Streamの8つあるカテゴリーの中で、 1つずつしか受けていないので、機会をもって是非に他のものをとってみたいと思っています。
IMDビジネススクール
スイスに拠点を置き、『フィナンシャル・タイムズ』のエグゼクティブ教育部門のランキングで3年連続1位を獲得し、リーダーシップ教育おいてグローバル企業から高い評価を得ているビジネススクールです。
名古屋商科大学大学院からは、毎年6月に開講される6日間の短期集中MBA(OWP)への参加が可能です。
OWP(Orchestrating Winning Performance)は、グローバル・リーダー育成のための短期集中型履修証明科目で、多くのMBAホルダーが参加しています。