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IMDビジネススクール(シンガポール)への留学参加レポート2015 政井 佑介さん

#IMD #シンガポール

本学では、リーダーシップ教育で世界的に著名なIMDビジネススクールがスイスとシンガポールで行う6日間の短期集中MBA(OWP)への参加を支援しています。

2015年11月16日-11月20日参加レポート


Ginka Toegel先生の講義

グループワークの様子

カリキュラム

いくつかのカリキュラムの中から、自分の興味のある講義を各セクション前半1コマ、後半1コマずつ選択する形式。講義はケースメソッド、フィールドワークと講師が効果的と考える形式で進めているように感じた。カリキュラムには夕食まで含まれており、ディナーセッションでは大会場で自由に席を選んで食事を取りながらゆっくり話をできる時間もあり、また講義もグループワークが主で参加者同士の交流を深める機会を多く設けるよう配慮されているなと感じた。様々な文化的背景をもつ国々の方と一つの議題に対して結論を導く過程は、多様性の中でいかにビジネスをマネジメントしていくかを疑似体験できる非常に良い機会となった。
最終日に実施したMega DiveはIMDが開発した全員参加型のブレインストーミングで1日かけて大会場で実施する形式であった。

取得講義とその詳細

《Power in Modern Organization》
Powerに関する話とそれを効果的に活用する技術と権力を持つが故に腐敗してしまうことを避けるためにはどうしたらよいかを考える講義であった。

《The Stewardship Challenge》
近年企業経営におけるSTEWARDSHIPが非常に注目されており、リーマンショック以降短期的な収益のみにフォーカスするのではなく、企業が継続的に成長できるようにすることが非常に重要視されるようになってきた。その中でも、STEWARDSHIPを持っている企業とそうでない企業は成長率だけでなく業績とも相関が認められることが研究でわかってきた。

《Asian Leadership》
ガンジーや松下幸之助に代表されるアジアのリーダーシップはSustainableが一番先に来ることが分かっており、欧米のリーダーも学ぶべきところが多い。Harvard business reviewで世界のCEO top 100を発表したときアジア人は6人しかランクインしていなかった。評価体系というより基準が欧米よりという批判はあるが、これからアジアのリーダーがグローバルのリーダになっていく為には現状の良い点を無駄にすることなく、欧米の戦略的なリーダーシップを取り入れることで実現できるであろうとのことであった。

《The State of Leadership of Southeast Asia》
ASEANはインド、中国に続き世界第3位の市場に成長していくといわれている。ただASEANは非常に多様な文化的背景の国々から成り立っており、指揮者の下でそれに従い、オペレーションを行うだけでは今の変化の激しい世の中に対応できない。それぞれがそれぞれのフィードバックを受けながら、事業を継続していく即興的な活動が組織にも求められている。

《Digital Transformation》
デジタル化が加速する世の中で重要なのはCustomer Centricであること。多様なニーズに答えるために、これまでのビジネスを俊敏に見直す組織を実現したものが勝ち組となる。ナレッジシェアや意思決定理論に基づいた分析が今後ますます重要になる。

《How Incumbents Can Respond to Digital Disruption》
今後13か月以内に技術バブルがはじけ、乱立しているスタートアップ企業が淘汰され本当に価値のある企業だけが残る。デジタル化時代に備えるためにはコスト、顧客体験、プラットフォームの価値を最大限に高める戦略を不確実な未来に対応する為に迅速な変更を厭わない体制で進めていくことが重要。


アイデアコンテストで4位に

《How to find money in the Digital Vortex》
デジタル化の渦中においていかに収益を獲得するかについては、溢れるデータから必要な情報をくみ取り、顧客となりうる人々の考えや行動を先取りする形でイノベーションを起こしつつづけることでしか成し遂げられず、”Real time is too late"となる時代が目の前に来ていると考えられる。

《What has digital done to customer Decision Journey?》
IoTによってサイレントマジョリティーの声が初めて聴けるようになった。インタビューなどでは結局普通の人ではなく、尖った人の声を集めることになりがちであった問題点を解決でき、効果的なマーケティングができるようになってきている。つまり、現在のサービスシフトは継続的な収益を得る為だけではなく、サイレントマジョリティの声を聴く重要な手段でもある。そのポートフォリオを持つと持たないでは競争力が大きく変わることを意味しており、グローバルビジネスにおいて意識すべき重要なポイントである。

《Sustaining Executive Performance》
最初にオリンピックのビデオが流れ、クーベルタンや古代ギリシアでの話が進む。大きなメッセージとしては体を忘れるなということ。そして体の健康を保つことが判断力をクオリティーの高い状態で保ち、効率的なworking hoursを過ごす秘訣であると科学的に証明されている。実際に、忙しいビジネスマンでもintenseなinterval trainingを行うことで体をいい状態に保つことができる。
実際、ずっと座っているよりも歩いたり動いたりするほうがいい判断ができるといった研究結果などが紹介されていた。悩んだときは一度忘れて静かな場所を散歩するなど切り替えが大事であると感じた。講義だけでなく、フィールドワークとして精神的にも身体的にも良い状態を保つためには何をすべきかを実際に外に出て体感するセッションもあった。普段何気なく歩いていたが、しっかり自然の音を聞くことで心がリフレッシュできることを実感できた。

《Mega Dive》
ブレインストーミング→投票→選定したアイデアをさらに深堀という流れでアイデアから実効性のある施策を策定するIMDが開発した手法(Deep Dive)。同様のテーマを多様性のあるグループでそれぞれ検討し、アイデアを競い合うことで全体のモチベーション向上に役立つ上に、決まった施策が全員の投票というフェアなプロセスを経て決まっている為、実現性の高いものが出来上がることが実感できた。


講義以外にフィールドワークも

Closed Dinner


シンガポールで一番高いビルの最上階にあるレストランでパーティがあった。講義ではなかなか交流が図れなかったIMDの教授の方やスタッフの方とも話す時間が持てて、いつかスイスにあるIMDにも行ってみたいと思うようになった。自費で参加するという人はめずらしいようで、励ましのお言葉を多く頂戴した。今後も参加できるチャンスがあれば積極的に参加して、グローバルビジネス(経営)で実際に課題となっていることや最新の研究など継続的に知識が得られるようにしていくと共に、今回学んだことを即実践してみようと強く思った。


IMD Alumni


OWP参加者にはAlumniに参加する資格が与えられ、OWPで出会った方々や過去に参加された方と継続的にネットワークを保持できるようになっている。日本におけるAlumniもあり、講演会等のイベントなどの情報がやり取りできるようになっている。


国籍もバックグラウンドも様々

留学を終えて


最終日を終えた後日本人の参加者とも交流を図り、参加者の方々の受講した講義や感想、日本でのお仕事などをお伺いする機会を得た。自分のモチベーション向上にもつながったと共に勉強になった。
また、考え方、文化、国が違えど友達や家族を大事に想い、周りにいる人を少しでも幸せにしたいと願うことは万国共通で、ビジネスにおいても相手のことをしっかりと考えた上で自己主張だけに陥らないことが相互に良い関係を築き、ビジネスを円滑に進めていくために非常に重要なんだということを体感できたことが非常に良かったと思う。
グローバルリーダーとして活躍するためにはやはり知識・経験はもちろんだが、人を想う心を持つ人という人間性の部分が大きなウェイトを占めるのではないかと感じたので、人に良い影響が与えられるポジティブな考え方ができるように努力していこうと思った。

名古屋 マネジメント研究科 政井佑介さん


全員で集合写真

IMDビジネススクール


スイスに拠点を置き『フィナンシャル・タイムズ』のエグゼクティブ教育部門のランキングで3年連続1位を獲得し、リーダーシップ教育おいてグローバル企業から高い評価を得ているビジネススクールです。

名古屋商科大学ビジネススクールからは、毎年6月と11月に開講される6日間のOrchestrating Winning Performanceへの参加が可能です。OWP(Orchestrating Winning Performance)は、グローバル・リーダー育成のための短期集中型履修証明課程で、多くのMBAホルダーが参加しています。