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三菱重工 2011

#CSR(企業の社会的責任) #持続可能性 #インフラストラクチャー


アブストラクト

三菱重工は長い間,日本という国とともに歩んできた。重厚長大という言葉に代表されるように船舶や航空機,大規模な橋梁,ダム,発電所などに加え,防衛製品を扱い,国を顧客とする公共工事によるところが大きかった。日本経済における高度経済成長の終焉,バブル崩壊,リーマンショック後の世界経済の停滞と円高と経験するなかで,三菱重工においてもグローバル化(海外事業の拡大)という課題からは逃れることができない。国内では造船・重機業界の売上高シェア首位で,インフラなど大規模プロジェクトの取り纏めとして知名度が高く,官公庁から信頼のある同社も,海外では競合するGE,シーメンスといった世界規模の超大企業に対し,規模も知名度も圧倒的に小さい。また,重厚長大産業という重苦しさ,防衛産業に従事していることや,過去の公共工事における談合への加担などから,国内では一般的に,三菱重工という企業に対し,マイナスイメージを持つ人が多い。それゆえ,近年,苦手としてきたイメージ向上のための広報活動について力を入れ始め,特にCSR活動などの社会的な活動が活発となってきている。また,2011年3月11日に発生した東日本大震災後,日本経済は一層の苦境の中に立っている。三菱重工がこれまで担い,支えてきた,電力業界を含む日本のインフラを再考するための議論が政府,市民問わず日夜行われており,原子力関連製品を注力事業としてきた三菱重工もその戦略を方向修正する岐路に立たされている。本ケースは,三菱重工の経営者が,海外でのプレゼンス(存在感)を強化し,今後の更なる成長をするとともに,国内では東日本大震災後の復興を下支えするため,企業の社会的責任(CSR)を一つのキーワードに企業としての方向性を探るというケースである。本ケースには三菱重工の概要やその製品群,現在の戦略とともに,企業の社会的責任について,その概要や三菱重工を含めた企業の実例が取り上げられている。主人公である経営者は,多くの日本企業が置かれている多重の困難のなかで,企業の成長と社会的責任の関係,その目指すべき方向性について検討する。

詳細情報

ケースID 11-1084
登録 2011
業界 船舶製造・修理業,舶用機関製造業
分析領域 企業倫理
ページ数 18
言語 Japanese
ティーチングノート あり