NETSDAR 2014
アブストラクト
株式会社ネットスターソフトウェア(NETSDAR、以下NTSD社)は2002年に中国山西省から発足した、ソフトウェア受注開発・人材派遣・販売代理などの業務を行う会社である。現在中国北京、中国山西、日本東京に所在する三支社を統合し、ホールディングス体制の組織構造になっている。かつて脚光を浴びたソフトウェア・オフショア開発業界が、近年中国での人件費の高騰と同業企業の価格競争の影響で二極化傾向が深刻になっている。その業界にあるNTSD社は設立十年の節目から3年連続赤字を出してしまった。同社においては黒字化が一番の課題になっていた。会社の経営について、社長の丁と家族の数名が各支社のコア管理職を占めており、会社の経営数字などを全く公開してこなかった。またトップマネジメントと社員のコミュニケーションの問題が日々顕在化していくなかで、いざ事業の方針や方向性をスイッチしようとすると社員の理解を得ることができない状態だった。さらに、直近全社の退職率60%以上、顧客先の要求に応えられる上級技術者の不足、営業部の人員不足による社長一人の営業体制、全社の共通言語は中国語、顧客先とコミュニケーションをスムーズに取れるような日本語の人材の不足・・・・こういった組織内の問題が発生していた。丁社長の思いの最高の塊として、日中両国の友好交流を趣旨に「日本山西省友好交流協会」というNPO法人を設立した。NTSD社の賛助で成り立った企業CSR活動の一環であったが、会社の経営困難と共に中止しせざるを得ないことになった。社長助手である呂も会社の先行きに心配していくつかの根本的な提案を行ったが、どれも通らなかった。会社の真の問題を考え直した結果、呂は組織再生について提案した。
詳細情報
ケースID | 14-1088 |
---|---|
登録 | 2014 |
業界 | ソフトウェア業 |
分析領域 | リーダーシップ |
ページ数 | 20 |
言語 | Japanese |
ティーチングノート | あり |