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大丸松坂屋百貨店 2014

#デザイン・シンキング #イノベーション #顧客経験価値


アブストラクト

2014年、大丸松坂屋百貨店では戦略的な位置づけで重要な松坂屋名古屋店の大規模な改装計画を検討していた。2017年の名古屋駅前の再開発による名古屋駅地区と栄地区との競争で勝ち残る為の重要なプロジェクトである。そのプロジェクトにおいて重要な位置づけである環境面のデザインをいかにして構築するかを、デザインディレクターの視点で描写したものである。主人公である筆者は、入社してから、同社のデザインに対する重要度、位置づけに疑問を抱いていた。社内には、デザインという広義の概念(戦略的な位置づけであり思考することとしての意味を指す)そのものを理解出来ている人はほとんどいないのである。組織的にもデザイン部門内には役員がいなかったり、デザイン部より、営業部の立場の方が高かったり、デザインを企業として重要視していないように感じていたのだ。筆者はこのように、同社のデザインに対する考え方に不信感や疑問をもったまま、環境デザインにおけるデザイン責任者としてプロジェクト業務を続けていた。しかし、その疑問はデザイン・シンキングでの学びと、このプロジェクトのプレゼンでの失敗と成功を通してクリアになっていくのである。経営層はデザインを軽視していなかったのである。むしろ筆者以上に重要視していたのであった。社長の山本へのプレゼンで提案された案に対するダメ出しは、デザインという広義の概念を正確に捉えているものだったのだ。当初筆者自身、1回目のプレゼン後の山本の発言の真意を理解出来ていなかった。しかし、ちょうどその頃通っていたビジネススクールで学んだデザイン・シンキングでの学びを通して、徐々に理解して行くのであった。このようにデザインの重要性とデザインの本質的な意味を経営層へのプレゼンの大失敗を経て学習し、深めて行くのである。筆者はこの出来事によって、デザインを「戦術」から「戦略」として捉えられるようになることの重要性を理解することが出来たのである。また、この気づきによって「デザイナー」と「ディレクター」の役割の違いも明確に把握出来るようになったのである。この違いを認識して以降、筆者の業務の方法は変ったのであった。自身の役割を正確に「ディレクター」と認識することによって「デザイナー」との関わり方を変えたのである。その後、ディレクターとして、正確にデザイナーと関わることによって作成されたデザインによって、山本を納得させたのだ。1回目のプレゼン後に山本が発言した「全然ダメ。お前たちがデザインまでしていないだろうな。」という発言の解釈は正しかったのである。このように、プロジェクトでの失敗や、ビジネススクールでの学びを通してデザインとデザイン思考の違いを学び、デザインディレクターとして成長をして行く物語である。そして、筆者は百貨店としての企業価値をさらに高める為に次のステップに入るのである。百貨店ビジネスの顧客との接点はリアル店舗におけるものだけではないのである。さらなる企業価値向上の為に、顧客満足度の向上を様々な視点で考察していくのである。

詳細情報

ケースID 15-1128
登録 2015
業界 百貨店,総合スーパー
分析領域 マーケティング
ページ数 25
言語 Japanese
ティーチングノート あり