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三菱航空機 2016

#持続的成長 #社会貢献 #イノベーション


アブストラクト

三菱航空機は、経産省の助成金事業へ応募し、親会社である三菱重工が64%出資して、国産の民間航空機(MRJ:三菱リージョナルジェット)の開発・調達・販売・カスタマーサポートなどを担当をすることを目的に設立された非上場会社である。MRJの開発終了後の量産は三菱重工が担う。MRJは、三菱重工が培ってきた世界最先端の航空機開発・製造技術力により実現した運航経済性と客室快適性を兼ね備える次世代リージョナルジェット機である。最先端の空力設計技術、騒音解析技術などの適用と、P&W製の最新鋭エンジンの搭載により、燃費効率の向上とともに、騒音・排出ガスも削減可能とされている。空気抵抗を減じた空力解析の結果である美しい流線型の機体とともに前評判が高く、何度目かの開発遅延を乗り越えた初飛行、国際エアショーへの出展などのステップを着実に踏み、内外のエアラインの受注累積数は427機となり採算ラインを超えたと言われる。利益を出す600機には到達していない。世界の航空機市場では、ボーイングとエアバスの二強のシェアが8割を占め独占的地位を確立している。その中で、MRJが参入しようとしているリージョナルジェット機の市場では、エンブラエルのERJとボンバルディアのCRJのシェアが8割を占め、露スホイのSSJ、中国商用飛行機有限公司(COMAC)のARJが新規参入組として続く。MRJは、上述の状況から、十分な勝機があるとされている。しかし、三菱重工は、これまでもYS-11、MU-2、MU-300と国産旅客機やビジネスジェット機の開発・量産化に取り組んできたものの、事業採算が合わず何度も参入と撤退を繰り返している。また、MRJのカスタマーサポート体制の構築などに懸念が残り、P&W製の最新鋭エンジンも、エンブラエルがE2シリーズに搭載し2020年以降に市場へ投入予定であることから脅威となっているため、今後の展開は予断を許されない状況にある。

詳細情報

ケースID 16-1032
登録 2016
業界 航空機・同附属品製造業
分析領域 企業倫理
ページ数 19
言語 Japanese
ティーチングノート あり