エリクソン・ジャパン株式会社 2017
アブストラクト
エリクソン株式会社(以下、エリクソン)はWCDMA、LTEという携帯電話通信方式の標準規格の策定において主要な役割を果たし、その技術力から世界180カ国で事業展開をし、堅調な成長を遂げた。しかし、競合であるファーウェイやZTEの台頭、LTEへの設備投資がピークを超えたことにより、売上はやや減少傾向にあった。今後成長が見込める携帯電話通信機器事業を主な事業としているにもかかわらず、エリクソンの将来への市場の期待は高くない。エリクソンの日本法人であるエリクソン・ジャパン株式会社(以下、エリクソン・ジャパン)は、2012年に過去最高の売上を達成したが、翌年以降は売上が減少し、2015年には大規模な人員削減を行なった。2013年に取引を開始したKDDIからの受注が増加したことにより、2016年以降の売上は右肩上がりである。エリクソンがグローバル市場で苦境を強いられている中、エリクソン・ジャパンは、シンクタンクによる調査で、2025年に金額ベースで日本市場でのシェア1位と予想され、今後の成長が見込まれている。しかし、2012年以降の売上減少や2015年の人員削減により、従業員にはネガティブなイメージが根づいていた。また、エリクソンでは本社が戦略や方針を決定し、地域支社や現地法人はその方針に従わなければならない。世界的な苦境による本社の経費削減方針の影響から、エリクソン・ジャパンでは業務が増えているにもかかわらず、人員を補充できなかった。このため、従業員の業務負荷が高くなり、結果として従業員満足度が低い状態にあった。
詳細情報
ケースID | 17-1076 |
---|---|
登録 | 2017 |
業界 | 電気通信に附帯するサービス業 |
分析領域 | リーダーシップ |
ページ数 | 25 |
言語 | Japanese |
ティーチングノート | あり |