原島 秀哲さん
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3C分析、SWOT分析をはじめとしたフレームワークの基礎からマーケティングミックスの手法、企業価値を数字で捉えるコーポレートファイナンスなど、事業の創造に直結する基本的な知識を養うことができました。また...
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PreMBA
週末の東京校スタジオでは、辻正雄先生による「アカウンティングエッセンス」がオンラインで開講されました。
この授業では、財務会計と管理会計の基本的な概念とモデルを理解し、会計の背景に基づいた経営判断力を習得します。
財務会計については、利害関係者の経済的意思決定に資する財務諸表の作成と開示に関するルールを理解し、経営者は定められたルールを遵守しながらどのような行動をとるかを考察します。
管理会計については、企業価値の向上を目指す経営者・管理者の意思決定と業績管理のためにどのような情報が求められているかを、経営者・管理者の行動とのダイナミックは作用を掌握しながら探究します。
2015年2月、ファナック株式会社の代表取締役兼最高経営責任者(CEO)である稲葉善治博士は、1ヶ月後に控えている取締役会で、取締役会でどのような改革案を提案すべきか思案していました。
と言うのも、安倍政権下で発表された「日本再興戦略」の影響もあって、民間投資とりわけ海外からの投資を呼び込むために、コーポレート・ガバナンス方針を改革すること、自己資本比率(ROE)を高めることが日本企業に求められていました。同時に、ファナック株式会社は堅調な成長を示していましたが、米国を拠点とする「モノ言う株主」のダニエル・ローブが、多額を投資してファナック株を前週に取得しており、稲葉CEO率いるファナック株式会社のコーポレート・ガバナンスと財務方針に反対していました。
ファナック株式会社も含めて日本企業は体質を変えて進化する必要がある一方で、変革は時間をかけてゆっくり行うべきではなかろうか。外圧に押されて急進的に行うべきではないのではなかろうか。稲葉CEOの悩みは尽きなかったのです。
この「ファナック株式会社」のケースを用いて辻正雄先生から出された検討課題の一つは、「ケースの中で検討されている財務政策の変更とコーポレート・ガバナンスの改革を実行すれば、稲葉博士の考えている同社の目標は達成されるでしょうか」です。
受講生は前日、別のケースを用いて財務諸表の基本的な読み方・分析方法、競争戦略と財務政策の関係、企業価値評価の方法などを学んでおり、それら財務会計に関する専門知を用いながら、ファナック株式会社の稲葉CEOが策定している目標を達成するための手段として、俎上に上がっている財務政策や改革案を一つ一つ丁寧に検討していきます。
公認会計士二次試験の試験委員も務められるなど会計の研究者として名高い辻正雄先生のファシリテーションのもと、
・当時のファナック株式会社のROEは8%と低いが、高くするためにはどうすべきか?
・ROEを高めていくと、企業にどのような変化がもたらされるのか?
・ファナック株式会社の企業文化とはどのようなものと分析するか?
・全ステークホルダーの中で優先すべきは、従業員・顧客・サプライヤー・投資家のいずれと考えるべきか?
などについてディスカッションしていました。
このケースディスカッションを通して受講生たちは、財務会計と管理会計を含む広いアカウンティングの視点を獲得しながら、企業が持続的成長をするために必要となる要件を学び、経営者としての意思決定能力を高めていきました。
辻正雄先生のプロフィール
カリフォルニア大学ロサンジェルス校(UCLA)博士課程C.Philを経て、1978年より早稲田大学専任講師、同助教授、1985年より同教授。早稲田大学商学部長(2002年~2004年)。
日本管理会計学会副会長(2005年~2007年)、同会長(2008年~2011年)、日本会計研究学会評議員(2009年~2015年)、現在、日本管理会計学会常務理事(2011年~)、Asian-Pacific Management Accounting Association Senior Director(2015年~) 公認会計士二次試験・試験委員(1999年~2002年)、同三次試験・試験委員(2005年~2006年)、中小企業診断士試験基本委員(2002年~2004年)、中小企業診断士試験委員会委員長(2004年~2008年)、最高財務責任者(JCFO)検定試験・試験委員(2005年~2012年)、日本会計研究学会特別委員会「経営者による会計政策と報告利益管理」委員長(2013年~2015年)
本授業は、PreMBA(履修証明プログラム)あるいはMBA単科 として開講されており、MBAの基礎を年間を通してあるいは特定の科目を集中的に受講し、専門知や実践知を体系的に修得していきます。
PreMBAとはMBAのエッセンスを凝縮して1年間で学ぶ事が可能なプログラム。マネジメント領域の学修を網羅したカリキュラムを年間を通して体系的に受講することで、ビジネスに必要な高度専門基礎知識・スキルを修得します。プログラム修了時には学校教育法に基づいた「履修証明書(Certificate)」が交付され、社会人の学び直しやキャリアアップに有効です。PreMBAは高卒以上の方から受講することができ、プログラムを修了した方は、本ビジネススクールの学位プログラム進学のための受験に挑戦できます。MBA取得や税理士試験合格など、より発展した学びを目指してください。