《MBA講義》New Age Marketing　山岡隆志教授

New Age Marketing

今回は山岡隆志教授による東京校MBAの「New Age Marketing」をご紹介します。
山岡先生は大手企業でマーケティング責任者を歴任した現役の研究者です。
この授業ではデジタル時代を牽引するマーケターの基盤をつくることを目指します。数多くある理論の中から実務で使える理論のみを扱い、使えるレベルまでに昇華する授業が特徴です。

授業3日目の内容

この授業では毎回、各界の第一人者をゲストとしてお招きします。今回はブランディングの第一線で活躍する佐藤佳世子氏をお招きいたしました。受講生には「ウルトラマンのライセンスを使った、新規事業のマーケティング戦略を立案しなさい。」というテーマで事前レポートが課せられています。佐藤氏がフィールズに転職した2014年時点の経営環境の資料を基に、佐藤氏と同じ立場で事業開発を考えるものです。

書類審査に勝ち残った上位8名が、実際に事業開発を行った佐藤氏を前にして、緊張感のあるプレゼンテーションが行われました。特別賞2名、3位、2位、1位の合計5名の入賞者が発表されました。入賞者について、佐藤氏からは現状分析がしっかりとできていて、実行可能性のあるアイディアだったという、嬉しいお言葉を頂戴しました。

全員に対する丁寧なレビューコメントをいただき、2014年から佐藤氏が実際に行った事業開発の推移が詳しく分かるプレゼンテーションが始まりました。課題と同じ目線で一流のマーケターが答えを示した発表がされた訳で、全員が佐藤氏の話を聞き入っていました。

まず、驚かされたのは、入社して2，3ヶ月で、｢A MAN of ULTRA｣の試験的なブランドコンセプトと商品を創り上げ、主要なメンズ誌の編集長と副編集長がほぼ集まった、テストマーケティングが実施されたことです。
ここで、寄せられた意見を基に、｢日常の世界にウルトラな男を創り出す。｣というブランドコンセプトが急速に出来上がり、半年後には正式スタートしています。コンセプチュアル・ライセンスブランドという新しいブランド・ライセンシングの考え方も導入されていました。子供向けのものだったウルトラマンが、大人向けのブランドにコンセプチュアルにリ・ポジショニングされています。
丸3年で、アパレル、車、時計、家具、ワイン、イベントなど様々な著名企業やブランドが参加しており、参加企業とブランドの数は90社にのぼります。

▼ウルトラセブンをモチーフにされた｢PUERTA DEL SOLの指輪｣
（出所：A MAN of ULTRAホームページ）

▼三宅家商店　千福｢ウルトラセット｣
（出所：株式会社三宅本店ホームページ）

佐藤佳世子氏　プロフィール

㈱リクルートで「ダ・ヴィンチ」をはじめ、数々の雑誌の副編集長、編集長を歴任。数多くの新規事業開発にも携わり、後にマーケティング局のチーフプランナーとなる。2006年、㈱ワールドの宣伝部長として転職し、2010年、執行役員 ブランディング&マーケティング推進統括部長に就任。ワールドでは、業界初の様々なプロモーションや販促施策を手掛ける。以降、担当領域を広げ、ワールドの全社ＷＥＢ戦略、ＣＲＭ戦略の指揮をとり、ワールドプレミアムクラブを構築。また約100ブランドのブランディングにも携わる。2014年、フィールズ㈱にエグゼクティブプロデューサーとして転職、「Character & Brand of the Year 2016」では「日本ブランド・ライセンス大賞グランプリ」を受賞。