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MSc in Taxation

《税理士養成課程》Business Analysis 小林伸行教授

#ビジネススクール説明会 #税理士 #税理士試験免除 #税理士養成

東京校のTAPコースでは、6月24・25・7月1・2日の4日間、小林先生によるBusiness Analysisが開講されました。

Business Analysis

 本講義は、企業の経営分析の考え方やその前提となる知識について理解し、企業分析を実践することを目的としています。企業の業績や状態を伝達する手段として最も一般的なものは財務諸表であるため、この科目でも財務諸表による経営分析が中心的な課題となります。なお、経営者にとって財務諸表は利害関係者に対する情報伝達の一手段であり、開示されている情報には経営者の意図が反映されていることを理解しておく必要があります。経営者がどのようなことを考えて企業をマネジメントしたのかについて、財務諸表等の公表情報から分析し推測する能力を身に付ける講義です。

講義3日目の様子

 九州ご出身の方にとってのソウルフード、「マルタイの棒ラーメン」をご存知でしょうか。昭和22年創業、代表的商品の「棒ラーメン」は発売から50年以上経つロングセラー商品で、西日本における即席麺市場では高いシェアを占めているそうです。その「マルタイ」社のケースを、3日目では扱っていました。
 ソウルフードの製造販売は、非常にむずかしい舵取りを迫られることがあります。あまりに有名過ぎて、味や価格を変えづらい。ゆえに、経営改善をはかる場合、有効な手段は何でしょうか。まさに「マルタイ」社が直面した2009年の事象に立ち戻り、当時の経営陣が何を思い、どのように行動したのかについて、財務諸表から読み解いていました。
 財務諸表は、一見すると単なる数字の羅列に過ぎません。確かに、「経営者の通信簿」という側面もありますが、それだけではなく、経営者たちの意図や悪戦苦闘した戦いの記録が見えてくる大切な会社の情報です。まさに、株主、税務当局、消費者、社員などあらゆるステークホルダー向けに「経営の姿勢」を伝える広報ツールの一つなのです。
 ある意味、財務諸表は、楽譜に似ているかもしれません。音符の羅列からメロディーを読み、作曲家の意図をくみながら演奏する素晴らしい音楽家たちのように、受講生たちは、小林先生のファシリテートの元、財務諸表に記載されている数字の情報から、何を読み取ることができ、財務の専門家としてどんな舵取りをしていくべきかについて、白熱した議論を交わし、ROE分析なども行いながら、マルタイ社の活動を「丸裸」にする技術を身につけていました。