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オンライン授業《税理士養成課程》Tax Policy and the Economy 原田泰教授

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2020年4月から本学の教授に着任されました原田泰教授による「Tax Policy and the Economy」が、東京校スタジオを用いて、オンラインにて開講されました。


授業風景

授業概要


本授業は、日本の税と政府支出を概観し、それぞれの問題点を理解し、日本経済を発展させるために、どのような行財政改革が必要かを考えます。ありきたりの議論ではなく、国際比較や経営上の常識に照らして、より深い問題意識を持つこと学びます。


「日本: 自由で公正でグローバルか」のケースを用いて、【日本(経済・社会)の発展への貢献】を学ぶ


小林伸行先生

「日本:自由で公正でグローバルか」という1999年にハーバードビジネススクールによって作成されたケースがあるのをご存知でしょうか。企業も国家も、集団・組織をマネージするという意味において共通しており、実は「企業」にとどまらず、「国家」もケースとして描かれる対象なのです。

ケースメソッドは実務家を育成するための教育手法です。これを用いてファシリテートし、設定されたラーニングゴールへと受講生を導いていくには、ある特定の「企業」について検討する際にも、とても深い知識や経験が教員側に要求されますが、「国家」が題材となった場合、さらにその傾向は強まります。「国家」のケースはテーマが広いがゆえに、一歩間違えれば掴み所の見えない抽象論に終始してしまうなど、ディスカッション崩壊に陥る大惨事になりかねません。ましてや自身の経験も踏まえてファシリテートするとなると、授業で使用するケースとして「国家」を選ぶことができる教員は、世界でも「ほんの一握り」しかいないのが実情です。本年4月、名古屋商科大学ビジネススクールにお迎えした、日本銀行政策委員会審議委員もおつとめになられた原田泰教授は、間違いなくその「ほんの一握り」しかいない教員のお一人です。

「日本:自由で公正でグローバルか」のケースは、経済政策(円高)・労働市場・官僚の力・コーポレートガバナンス・社会問題(高齢化・女性の活躍・教育)などをテーマに、1998年頃の橋本行革時代の日本が描かれています。原田泰教授は、銀行主導の資本主義システム・労働市場の流動性・小さな政府か大きな政府か・株式の持ち合い・女性の進学率と女性の管理職割合など、一つひとつ丁寧に受講生とディスカッションしていきます。さらに、フリードマン、ハイエク、ノージック、ロールズといった賢人たちの社会思想や哲学にも触れ、理論と実践の両面から、日本(経済・社会)の発展について、より深い問題意識を持つことの重要性を理解するよう受講生を促していらっしゃいました。

本授業が設置されている会計ファイナンス研究科 税理士養成課程に在籍する受講生は、大学院修了後、税理士や企業のCFO(最高財務責任者)になることを目指しています。原田泰教授とのディスカッションを通じて、単に「税」や「法」の専門知を有するだけにとどまらず、国家財政や政策・富の再分配と言った視点を用いてグローバルかつマクロ的に「税」を考え、ひいては日本(経済・社会)の発展に貢献できるプロフェッショナル・次世代リーダーを目指す自覚が受講生に芽生えている様子でした。


原田泰教授プロフィール

1974年東京大学農学部農業経済学科卒業。1979年米国ハワイ大学経済学修士課程修了、2012年学習院大学経済学博士課程取得。経済企画庁入庁。同庁国民生活局国民生活調査課長、調査局海外調査課長、財務省財務総合政策研究所次長、株式会社大和総研専務理事チーフエコノミスト、早稲田大学政治経済学術院教授、日本銀行政策委員会審議委員などを経る。2008年10月10日 第29回石橋湛山賞受賞(『日本国の原則』日本経済新聞出版社、2007年、による)。2004年11月3日 第47回日経・経済図書文化賞受賞(『昭和恐慌の研究』(岩田規久男氏、中澤正彦氏他との共著)、東洋経済新報社、2004年、による)作品など、著書多数。2020年から現職。