鳥取県で水揚げされるアジから 新たな価値を創造し、地域社会に貢献する(2)
鳥取県境港市でアジフライカンパニーというテーマで地域貢献とアジフライのブランディングに取り組む角谷食品。なぜアジフライで価値創造を目指すのか、それをスタッフにも地域社会にもきちんと言葉を届けることで、地域で仕事をする意味、地域を大切にする考えを深めていこうと角谷さんは取り組んでいます。もともと自然科学の世界で研究者として生きていた角谷さんは本学で経営を学んだことで、企業経営・自然科学・地域貢献というキーワードをもとにした独自の経営理論を展開することに成功。本学でも教鞭に立っています。またAIの活用にも積極的で、これからの企業経営にAIは不可欠であり、AIの脆弱性を理解した上で、積極的に活用していくべきだと考えています。
Kadotani Foods, headquartered in Sakaiminato City, Tottori Prefecture, is advancing regional revitalization and brand development under the distinctive concept of an “Aji Fry Company,” built around its signature artisanal panko-crusted aji (horse mackerel). This focus on value creation is driven by Mr. Kadotani’s commitment to clearly articulating this vision, not only to his employees but also to the broader local community, so they can better appreciate the value of working in, contributing to, and taking pride in their region.
Originally trained as a natural sciences researcher, Mr. Kadotani later studied management at NUCB Business School, where he developed a distinctive philosophy integrating corporate management, scientific thinking, and regional contribution. He currently serves as a faculty member at our school and actively embraces AI as essential to the future of business management, while emphasizing the importance of understanding its limitations and applying it thoughtfully.
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AIテクノロジーがこれからの企業経営を変える
髙木:角谷さんはAIをどのように使われていますか?
角谷:私のパソコンではChatGPTが常に稼働していまして、数分に一度は使用している状態です。
髙木:AIの活用はいつごろからされていますか?
角谷:AIは昨年から急速に優秀になり、心地よささえ感じています。特許の明細などはAIでかなり高めてから弁理士に依頼していますし、AIを使ってコスト削減に成功しています。多少の情報漏洩の懸念はありますが、適切に留意しつつ使いこなしていくことが、今後は必須となるでしょうね。
髙木:フードテックという言葉もありますが、角谷さんのお仕事がAIと具体的にからんだことは?
角谷:将来の日本で魚が獲れなくなったと仮定して、植物原料で魚を再現することができるのか?人は何をもって魚らしいと思うのか?について、AIに論文をひっぱってもらって検証したことがあります。テクノロジーとインフォメーションの融合ですね。
髙木:AIを活用するべき中小企業と、なかなか導入が難しい企業があるように思いますが…。
角谷:AIの良いところは、中小企業でも比較的低コストで人類の叡智を活用できる環境を整備できることです。これから伸びていく企業は、AIをうまく活用していく企業であろうと思います。今までは天才がいなければできなかったことが、今はAIがそれにとって代わってくれますから。
髙木:角谷さんはAIリテラシーも含めて、かなり高度な使い手でしょうね。社外の人脈でAIについて話しますか?
角谷:たくさん話します。OpenAIはもちろん、エクセルに特化したAIなども含め、活用の可能性はどんどん広がっています。AIによってビジネス環境は大きく変わっていくと思います。
髙木:学校では、AIを授業にどう取り入れていくかも大きな課題となっています。
角谷:授業への導入や論文作成はいろいろな課題が出てきそうですね。私が、なぜ人口の少ない鳥取県でこんなに苦しみながら企業経営しているのか、その目的、生きる意味について、AIは答えを出してくれません。私の持論ですけど、これからAIは哲学的になっていくのではないかと思っています。また人を動かす能力という点においては、AIは介在することはできないんですね。
髙木:意見を受け入れて行動を変えてもらうことはできないですね。
角谷:そうなると、やはり人間力というのが大切になってくるんです。
髙木:なるほど、地方都市での企業経営を実践しておられる角谷さんだからこそ、AIとどう向き合うか、経営にAIがどう存在し、どう活用するか、を常に考えられておられますね。角谷さんの生きた言葉は、とても興味深く勉強になりました。ありがとうございました。
角谷:高木先生の本を読んできて、そこに書かれた言葉に助けられてきた私にとって、今日お久しぶりに高木先生にお会いできて、お話させていただき、本当に嬉しいです。ありがとうございました。
株式会社角屋食品 代表取締役 角谷 直樹
Naoki Kadotani
鳥取県境港市生まれ。2005年神戸大学大学院博士課程早期修了。大学勤務を経て、味の素株式会社に入社。2015年名古屋商科大学ビジネススクール早期修了(2014年度成績優良学生、Case Award受賞)。同年、味の素を退職し、角屋食品に入社。翌年より代表取締役。2016年より名古屋商科大学ビジネススクール客員講師(2019・2020・2021・2022・2024・2025年度Teaching Award受賞)。
株式会社角屋食品 代表取締役 角谷 直樹さん
名古屋商科大学ビジネススクール教授 髙木 晴夫
Haruo Takagi
1973年慶應義塾大学工学部卒業。75年同修士課程修了、78年同博士課程単位取得退学。同84年ハーバード大学経営大学院博士課程修了、経営学博士号(DBA)取得。1978年慶應義塾大学大学院経営管理研究科(ビジネススクール)助手、84年同助教授、94年同教授。法政大学経営大学院イノベーションマネジメント研究科教授を経て、2018年より名古屋商科大学ビジネススクール教授。
髙木晴夫 教授