日本とオーストラリアの太平洋戦争-記憶の国境線を問う 鎌田 真弓 オーストラリア人にとっては、太平洋戦争はまさしく対日戦争であった。戦争の記憶は、国家間で顕著な非対称性が生じるのが特徴である。本書は、日本とオーストラリアの人々の太平戦争の体験と記憶を丁寧に紡ぎ出すことによって、日豪の戦争によって分断された地域の歴史としての太平洋戦争をとらえようとする試みである