新企業統治 [Kindle版]
現代グローバル社会には二つの企業統治手法が存在する。一つは20世紀以来の欧米型企業統治で、もう一つが2015年6月1日に新たに提言された日本版企業統治。前者は企業を「株主の財産」とし、その将来性よりも現在の利益の最大化を求め、社員はその財産増大メカニズムを構成する「人的資源」とされる。一方で後者は企業が株主のみならず社会全体の価値を創造する「社会的存在」であるべきと提起している。したがって後者では、社員はもはや無機的な人的資源などではなく、グローバル経済全体の持続的成長のために創造力を発揮する「人間」であることが求められる。本書はこの後者の、持続的進化を目指して社員のボトムアップ創造力を活かす新たな企業統治の実践条件を提起している。