大阪や関西でMBAを取得するには？

大阪のMBAの特徴

大阪は日本第二の経済圏を抱える大都市であり、経済規模、企業数、そして就業者数は関西経済圏のハブであることからMBAを目指す社会人にとって魅力的な場所です。しかしながら、関東圏と比較するとビジネススクールの選択肢や情報が限られているのも事実。今回のコラムでは、大阪を中心とした関西エリアでMBA取得を目指すジネスパーソンが学校を選ぶ際のポイントについて簡潔に解説します。

ビジネススクールを選択する（共通編）

1. 授業コンテンツ	シラバス（講義計画書）の公開が法令で義務付けられています。日程ごとの授業計画に加えて成績評価方針も記載されていますので必ず確認しましょう。
2. 教育ROIの視点	一般的にMBAの学費は費用対効果（教育ROI）によって決定されています。競争原理によって、高リターン（年収上昇）が期待できるMBAは授業料が高くなるように設定されます。（詳細はQS MBAランキングを参照）
3. 実績とキャリア支援	修了生の体験談や各種ネットワーク活動など支援体制が充実しているかを確認すると安心です。
4. 国際認証の取得	MBA教育の世界では国際認証を取得していることが品質保証のベースラインです。これは大阪であってもニューヨークであっても同様です。

ビジネススクールを選択する（大阪/関西編）

5. 学修スタイル	大阪のMBAには夜間や週末開講など多様なスタイルがあります。仕事や家庭との両立を考えるなら授業時間帯を確認することが大切です。
6. MBAとEMBAの選択	関西圏には、事業戦略を中心的に扱うMBAと、全社戦略を中心的に扱うExecutive MBAが存在します。MBAよりもEMBAの方が年齢層が若干高くなる傾向にあります。
7. 教授法を理解する	プログラムが選択する教授法を確認しましょう。例えばケースメソッド教育と講義形式教育は、全く別世界の教育ですし、関西での提供校は限られます。教授法を教員に一任するスクールはお勧めしません。
8. 修了課題のスタイル	関西圏ではケースライティング（自社課題の考察）、修士論文、プロジェクト、など存在します。各自のキャリアプランとの一貫性を検討することが大切です。MBA教育は研究人材を育成する場ではないので、修士論文が必須の場合は慎重に。

総括

大阪（関西）でMBAを探すなら、利便性・カリキュラム・学費・キャリア実績を冷静に比較することが不可欠です。駅近で夜間や週末に通える学校から、ケースライティングやプロジェクト形式で実務力を鍛えるMBA まで、各校の特色は大きく異なります。自分の目的に合ったプログラムを絞り込み、実際に説明会や体験授業に参加して雰囲気やサポート体制を確認すると良いでしょう。社会人にとってMBAは時間と費用の投資であり、単に学校名だけで先入観を持つのは禁物です。自分のキャリアや学習スタイルに冷静に照らし合わせて、最も効果的に成長できる場を選ぶべきです。

Written by

栗本博行

大阪大学にて博士（経済学）を取得。消費者行動分析を中心とした経営戦略に関する論文を多数執筆し、近年は事業継承に関する研究やケース開発に取り組み、事業承継学会常務理事を務める。学内外においてケースメソッド教育のFDを多数実施しながら、経営教育の国際化と高度化に取り組む。現在、栗本学園理事長、名古屋商科大学長、AMBAアジア諮問委員・EFMDアジア諮問委員、大学基準協会審査委員、中央教育審議会委員を務める。