女性活躍とは?映画「マダム・イン・ニューヨーク」
今年度女性の会は名古屋商科大学ビジネススクール
の岩澤教授、加藤教授、伊藤教授をお招きして「女性の生き方、働き方」「社会人学び直し、女性の活躍を考える」をテーマに講義をして頂きました。運営メンバー、ご参加頂いた方々と今までの自分自身を振り返り、自分の未来、将来にどのようなキャリアを築いていきたいか10年後、20年後はどうなりたいか・・その将来から振り返って今の自分はどうなのかを考えることができました。今週末、就職活動中の長男にエントリーシートのアドバイスとして勧めている1本の映画は私自身も改めて観た映画「マダム・イン・ニューヨーク」こちらは女性の活躍と女性の社会進出も考える素敵な映画だと思います。
物語は、どんな状況の中でも困難でも一歩踏み出し行動することによって自分の自信を取り戻し、家族に母、妻、起業家、女性としての素晴らしさを再認識させるインドの女性シャシの話です。彼女には学校で英語を学ぶ二人の子供と、職場で英語を使う夫との生活の中で英語という言語、シャシはそれを使う欧米の文化には全く馴染みがなく、反抗期も重なった子供に英語が話せないと馬鹿にされています。(ただ、インドでは地方によっては、むしろ女性は英語を学ばない方が良いところもあるらしい。ちらっとそのような台詞が出てきます。)そのような中、シャシはお菓子作り(サドゥ)が得意でそれが評判となり販売をするようになります。小さな仕事のスタートです。しかし夫から、インドの男性が当たり前のように思う、女性に対して「家庭に留まるべきでそれが女性の幸せだ」というステレオタイプで描かれている部分があります。色々な思いがありますが、シャシは家族のために生き、家族に尽くすことを生きがいとしています。妻、母、主婦は皆のために頑張っていても、いつも当たり前と思われ感謝されない。毎日同じことの繰り返し。だから余計に感謝されない。自分の存在って何なのだろう・・・と悲しい思いをするシャシですが、終始上品さを失わない心の美しい女性なのです。
そんな彼女が、アメリカに住む姪の結婚式に行くため、英語もアメリカの文化もわからないまま単身飛行機に乗ることになります。不安を抱えたまま降り立ったニューヨークに戸惑いながらも、姪の結婚式までの数週間、英会話の教室に通うことを決心するところから物語が本筋を迎えるのですが、異言語の留学経験がある私にとって映画中の場面のコーヒーショップのトラブルは様々思い出すところがあり私の胸に刺さることがあり、シャシに共感しどんどん感情移入しながら観てしまいます。シャシにとっても辛すぎる出来事、トラウマになってもう英語なんて一切喋らない!と心を閉ざすところですが、夫に小馬鹿にされてやめろと言われても続けてきたお菓子作りで貯めたお金で英会話教室へ申し込み心機一転奮起を図るシャシは本当に素晴らしいです。
シャシが覚える英単語「Entrepreneur」
英会話クラスでお菓子作りをケータリングしていますと自己紹介すると先生が“貴女は素晴らしい!「Entrepreneur」起業家がこのクラスにいるなんて!”と褒められ初日に「起業家」という英語を学び、ズタズタになっていた自尊心に暖かな光が射します英会話のクラスのメンバーも多様性溢れた人々で特に先生がチャーミングで異文化同士の暖かな絆もあり、作品全体には国境や言語やジェンダーに対することも考えることもできます。自分とは違う全ての人にも共通の心がある事(違いは違いであり間違えではない)を忘れず敬意を尊ぶべきとの凛とした確かなメッセージが込められ「夫婦は対等であるように」と後半で主人公が言っていたとおり、人として妻として母として尊重すること、相手を思いやる気持ちの大切さを伝えています。そしてシャシが覚える単語「Judgmental」=ジャッジメンタルという言葉があります。その意味するところは人を決めつけて判断したり、偏見を持って接したりする。
シャシの最後のスピーチがそれを締めくくります。
映画の中のサリーは色の意味を感じるところが多かったです。シャシが新しく一歩踏み出す時に着る色あざやかな赤。そして結婚式で女性たちが着飾る色鮮やかなサリー姿も本当に見ていて心ワクワクします。また、インド映画の醍醐味である踊って締めるラストも上品で楽しませてくれる映画でした。是非、映画「マダム・イン・ニューヨーク」で女性の活躍と社会進出を考えていただけたらと思います。