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MBAの授業に「正解例」はあるのか

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MBAの授業は、「講義」と「討論」によって成り立っています。「講義」では、ケースを分析する際に必要な経営戦略の知識やマーケティングの知識を確認します。また、ケースを分析するフレームワークの選択を行います。「討論」では、それらの知識やフレームワークを活用し、ケースを分析、解釈し、経営意思決定のシミュレーションを行います。

これまで様々な大学院でMBAの授業を行ってきましたが、受講生諸君から授業中や授業後に「正解例を教えてください」と言われることがありました。そこでの私の回答は、こうです。「この場合の正解は~~だ」「正解例なんかあるわけないだろ、自分で考えろ」と、真逆の回答が存在します。なぜでしょうか。

「講義」には正解がある

「講義」には、正解があります。ポーターの基本戦略は3つしかないし、業界環境分析は5つの力しかありません。実は基本戦略が5つあって、5Fsが7Fsに増えるということはないのです。また、企業活動全体を競合分析する場合は、バリューチェーンを使用し、4Pを使うことはありません。現状分析をする際に、アンゾフのマトリックスは使わないし、逆に戦略策定をする際に、PESTは使いません。このように、「講義」は正解があるので、私は授業の中で「違う!」と否定をするし「そうだね」と承認もします。

「討論」には正解はない

一方で、「討論」には、正解がありません。ケースを分析し、例えば製造小売業に「今後マーケティングを強化すべきだ」というのか「今後サプライチェーンを強化すべきだ」というのかは、正解がありません。「討論」で行うべきなのは、意思決定の選択の正解不正解ではなく、ケースを分析し、ロジカルにその意思決定に至った過程を、相手(MBAの場合は、先生と受講生)に納得できるように説明することなのです。なぜなら、意思決定が正しいかどうかは、実行してみないとわからなく、でも、実行するためには、クラスでも実務の現場でも、周囲を納得させなければならないからです。

私のクラスでは、前半に「講義」を行い、それをもとに後半に「討論」を行います。「討論」では、私がケースのCEOとなり、受講生の皆さんが経営参謀として、私に意思決定の提言を行います。そこでは、正解かどうかは判断しませんが、ロジカルに納得できる提言だったかどうか、判断していきます。実務の現場に活かせる経営意思決定のシミュレーションを、何度も何度も繰り返し頑張っていきましょう。


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