アブストラクト
2000年、ジョンソン・プロフェッショナル社は業務用洗剤としてビルメンテナンス市場の圧倒的な業界シェアを築き、リーディングカンパニーとして君臨したが、さらに多角化戦略を行っていく。2000年、外食業界向け食器洗浄機(D/W洗浄機)用洗剤において業界1位のシェアを持っていたティーポール株式会社の全株式を譲受し、M&Aを実施。2002年、ホテル業界において業務用洗剤シェア1位のユニリーバの子会社であったディバーシーリーバ株式会社の全株式を取得し、M&Aを実施。2003年、食品加工工場向け業務用洗剤の業界シェア1位の大三工業株式会社の全株式を取得し、M&Aを実施する。3社のM&Aを成功させ、ジョンソンディバーシーHDを発足させた。ついにビルメンテナンス業界、外食産業業界、ホテル業界、食品加工工場業界といった業用洗剤の主要市場すべてにおいて業界シェア1位を獲得する。これによって、いかなる競合も太刀打ちできない業界のリーディングカンパニーとして君臨するはずであったが、サブプライム、リーマンショックといった世界同時経済不況下に著しくディバーシージャパンの業績は低迷し、グローバル売上シェアの10%を割り込んだ結果、グローバル組織において設立以来はじめて降格措置をとられた。市場縮小の中、負のスパイラルの絶頂に落ちっている会社をどのように再編できるか、このまま更に市場シェアを失い地に落ちるのか、事業戦略が先か、組織改革が先か、事業戦略にはどのような打ち手が必要かを問うケースである。
詳細情報
ケースID | 10-1067 |
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登録 | 2010 |
業界 | 油脂加工製品・石けん・合成洗剤・界面活性剤・塗料製造業 |
分析領域 | 総合経営 |
ページ数 | 22 |
言語 | Japanese |
ティーチングノート | あり |