OMソーラー 2011
アブストラクト
OMソーラーはパッシブソーラーを利用した住宅、建築物の老舗メーカーとしてニッチに展開してきた。一時期は会員280社、売上80億の規模を誇る。2004年には株式を店頭公開し、会員工務店はじめ一般株主含め300名の株主を擁する。市場環境の悪化、高コスト体質、研究開発志向で市場との対話を苦手としたことなどから、ここ10年は低迷を続け、ついには営業赤字に転落する。2004年に銀行員から身を転じたAは37歳の若さで社長に抜擢された。Aは強力なリーダーシップで大規模な人事リストラと会員工務店との信頼回復に努めた。その効果が徐々に表れてきている。そのような中、足元ではOMソーラーシステムの分派である(株)環境創機が簡易な設計指導でソーラーシステム部材を広範に販売しており、現在の加盟会員数は約350社となっていた。環境創機は、『そよ風』ブランドで展開し住宅構成部材の一部と位置付けてオープンに販売している。これに対して、OMソーラーは設計思想、現地シミュレーションなど総合的な観点が不可欠と考えており、OMの亜流ブランドとして特段問題視していなかった。しかしながら、鹿児島に本拠を置く大手工務店が『そよ風』ブランドを採用したことが社内で話題になった。同社はパッケージ住宅を開発し、他県の工務店でも採用されている。創業者の理念を追求し研究開発に余念のないOMソーラーであるが、会員工務店や最終顧客のニーズに本当にマッチしたものなのか。また、現状の閉鎖型チャネルで今後生き残りが可能かを考えるケースである。
詳細情報
ケースID | 11-1076 |
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登録 | 2011 |
業界 | 土木建築サービス業 |
分析領域 | マーケティング |
ページ数 | 24 |
言語 | Japanese |
ティーチングノート | あり |