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株式会社きんでん 2012

#成功要因 #経営課題 #社長の想い


アブストラクト

㈱きんでんはB2Bを主体とする電気工事会社である。終戦直前に大阪で街の電気工事商店7社が集まって組合を発足させたのが始まりであった。戦後の占領政策において、日本の電力政策により維持されてきた日本発送電株式会社の独占状態が問題視されたことから電気事業再編成審議会が発足した。同会長のAがGHQを直接説得し、国会決議より効力が強いGHQポツダム政令として、電気事業再編成審議会の全委員(日本発送電存続派)の反対を押し切る形で、9電力会社への事業再編(1951年)が実現した。そして大阪府下は管轄が近畿エリア地域の電力会社である関西電力株式会社となった。きんでんはそこから配電線工事を全面的に委託されて、経済の復興とともに大きくなった。現在配電線工事については、関西電力エリアできんでんが寡占している状況である。また1960年頃から高度経済成長の発達の波に乗り、ビル、工場群の電気工事に進出して会社の急成長を体験することが出来た。一口に電気工事といっても、電圧の高低から取り扱う物の大きさまで千差万別で多種類の仕事内容がある。そこできんでんは大阪に本店を置きその中に支援部署である9つの事業本部を置き、東京に本社を置いて全国を地域エリア別に分けて事業部制を敷き管理をしている。過去からの経緯もあり、近畿エリアに関西電力の発注工事を施行する支店と、全国にそれ以外の一般顧客発注の工事を施工する支社を置く。また総売上の約1/4が関西電力グループからの収入になっている。今回平成23年4月に発足した中期経営計画のなかで、国内の建設投資が減少する事を踏まえて、平成23年10月の時点でB社長が特に力を入れて改革を推し進めようと考えているポイントが2点有る。1点目は、前期まで売上額が約1%だった海外工事を早急に10%台に持って行くための何らかの方策を企画して実施する。2点目は、建設投資の中で新規物件は将来的にも減少が著しいが、その中でも設備老朽化によるメンテナンス物件は増加の様相である。よって早急にリニューアル需要を取り込むために電気・空調・衛生・内装という設備更新を一括設備診断で実施して、更新計画や省エネ対策を提案する事業を立ち上げ軌道に乗せることである。実際社内に事業組織を今年3月に25人態勢で立ち上げたが、まだ本業務には至っておらず、顧客調査、ニーズの調査という事前の調整活動を行っている。きんでんはここ最近まで、業界内トップで東京電力を親会社に持つ関電工をベンチマークして経営のターゲットにしてきた。しかし関電工を追い抜き、きんでんが業界で売上、営業利益がトップになった現在、建設投資が低迷し売上自体も低迷し始めてはいるが、中期経営計画ではなんとか売上を持ち直すことを目標としている。

詳細情報

ケースID 11-1079
登録 2011
業界 電気工事業
分析領域 総合経営
ページ数 19
言語 Japanese
ティーチングノート あり