アブストラクト
NECカシオモバイルコミュニケーションズ(以下、NECカシオ)は携帯電話の黎明期から現在に至るまで、携帯電話の開発を行い、携帯電話の普及に大いに貢献してきた。初めに折り畳み携帯電話を開発したことでも知られ、2000年から2004年までの間、国内シェアトップであった。競合の台頭によりシェアを低下しており、2010年のシェアは5位集団になっている。2010年には154億もの営業赤字に転落し、前社長は更迭されている。経営状況は債務超過寸前の危機的状況である。NEC本社自体も低迷しているため、NECカシオに支援を行える状況ではなく、これ以上赤字が続くようであれば、NEC本社経営陣はモバイル事業からの撤退を決断する可能性が高い。本ケースは、NECカシオ新社長の田村が,短期的な業績の回復、今後の事業の立て直しと、成長をするための可能性を探るというケースである。国内携帯電話業界の慣習やビジネスモデルは、スマートフォンの登場により大きく変化してきている。スマートフォンの販売比率が急拡大するなか、競合が変わり、顧客である通信キャリアの行動も変化してきている。主人公である社長の田村は,長年、携帯電話業界に生きてきた人間であり、自社を取り巻く環境が大きく変化するなか、これまでの常識を疑いながら、如何にして活路を見出すかが求められている。
詳細情報
ケースID | 12-1001 |
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登録 | 2012 |
業界 | 通信機械器具・同関連機械器具製造業 |
分析領域 | マーケティング |
ページ数 | 35 |
言語 | Japanese |
ティーチングノート | あり |