アブストラクト
セブン-イレブン・ジャパンは、米国の旧サウスランド社(現セブンイレブン・インク)からエリアライセンスを受けて、日本国内におけるセブンイレブンチェーンを運営してきた。女性の社会進出、核家族化、高齢化社会への移行といった中で移り変わる消費者ニーズをくみ取り、様々な取り組みを実施してきた。しかし、2000年代前半から既存店売上高は頭打ちになり、2007年には既存店の平均日販が600千円/店を下回った。国内店舗数は飽和状態と言われ、また国内人口が減少に転じた。一方で、2005年には持ち株会社であるセブン&アイ・ホールディングスが設立され、グループ企業の連携により、さらなる価値提供の実現に向けて新たな取組みも進行した。グループPB商品である「セブンプレミアム」「セブンゴールド」の開発・販売、百貨店からスーパー、コンビニ、専門店、ネット販売企業で構成されるグループ企業がシナジーを発揮するオムニチャネル戦略である。また、海外事業を成功に導くことも重要な課題である。1989年にハワイのセブンイレブンをグループ化して再建、その後、旧サウスランド社の再建支援、セブン-イレブン・ジャパンの子会社による中国進出と続く。コンビニエンスストアは、消費者の日常に溶け込んだビジネスである。国や地域により歴史や文化、生活習慣の違う海外で、セブン-イレブン・ジャパンが成功するには、日本で成功を収めた事業インフラを活用しつつ、取り扱う商品やサービスはその国や地域の文化や習慣に合わせる必要がある。したがって、セブン-イレブン・ジャパンにとっては、中国事業を成功に導くことで海外事業のビジネスモデルを構築することが可能となる。また、セブンイレブン・インクを通じたライセンス事業では、ライセンシーのチェーン運営を支援し、世界的なセブンイレブンチェーンのブランド力を向上させることが重要になり、ロイヤリティ収入の増大にもつなげられる。本ケースは、2000年代後半のセブン-イレブン・ジャパンの事業を振り返り、その成功要因を整理するとともに、今後の中国事業を成功に導くために必要となる要素を考察するために作成した。
詳細情報
ケースID | 13-1044 |
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登録 | 2013 |
業界 | その他の飲食料品小売業 |
分析領域 | 総合経営 |
ページ数 | 18 |
言語 | Japanese |
ティーチングノート | あり |