日本たばこ産業 2014
アブストラクト
日本たばこ産業(JT)は,国の専売公社として誕生し,事実上の国内独占企業として順調に成長を遂げてきた。しかし,先般の少子高齢化や健康ブームに基づく喫煙人口の減少,国による規制の強化,海外における競合状況の激化などの外部環境の悪化により,将来間違いなく縮小していくことが見込まれているたばこ産業への高依存体質から一刻も早く脱する必要があった。そのための施策として実施されたのが1980年代半ばから開始した事業の多角化である。これまで様々な事業への多角化を進めてきたが,2014年時点で残っている事業は,撤退を決定している飲料事業を除けばたばこ事業,加工食品事業,医薬品事業の3部門のみである。JTが抱える喫緊の課題は,たばこ事業以外の新規事業をしっかりとJTグループに利益貢献できるよう成長させることである。ケースAの中でJTグループ全体の事業戦略について述べ,今後どういったポートフォリオ戦略を取っていくべきかを議論する内容となっている。ケースBからは,JTグループの中の医薬事業部にフォーカスを当てている。たばこ産業同様,規制産業と呼ばれる医薬品事業の中で,新薬メーカーとして中堅のポジションを取るJTがまずは当面の目標である黒字化を達成し,最終的にJTグループへ利益貢献するためにはどういった戦略を取っていくべきかを議論する内容となっている。まずはケースBにおいて,年々新薬メーカーにとって厳しくなっていく製薬業界において,一定の成功を収めている企業複数社をクローズアップし,その成功要因を探っている。そしてケースCでは内部環境に目を向け,自社が抱える問題点を洗い出し,その対応を踏まえた上で,今後どういった方向に進んでいくべきかの戦略提案を行うという内容になっている。
詳細情報
ケースID | 15-1009 |
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登録 | 2015 |
業界 | 医薬品製造業 |
分析領域 | 総合経営 |
ページ数 | 38 |
言語 | Japanese |
ティーチングノート | あり |