日本メドトロニック株式会社 ダイアビーティス事業部 2015
アブストラクト
本ケースは日本メドトロニック ダイアビーティス事業部のビジネスを見つめ直し、事業部の掲げるビジョンとゴールを達成するために学術部がどのような施策を実行すればよいかを検討するものである。読者は主人公の久野と同じ立場に立ち、マーケティング責任者の視点を共有しながら、インスリンポンプ普及のための課題と解決策を考察できるようにしている。日本メドトロニック ダイアビーティス事業部は2003年より日本の営業を開始し、糖尿病領域で新しい治療、診断ができる製品を展開してきた。新しい治療法は市場に競合製品が存在しない、もしくは極めて少ないため、治療法の普及が課題とされる。このケースで取り扱うインスリンポンプは糖尿病患者全体の約2.9%とされる1型糖尿病患者で主に使用されている製品である。インスリンポンプ使用者の推移を見ると順調に見えるが、1型糖尿病患者の約3.1%にしか普及していない。医療業界という社会的公益性の高い視点から日本ではプロモーション規制が敷かれており、メーカーから患者へ直接製品プロモーションを行うことはできない。又、価格は医療保険制度のなかで厚生労働省が診療報酬を定めている。このような患者数の少なく、制限のある分野への製品展開に疑問を感じるかもしれないが、1型糖尿病患者は社会的認知度が低いが故に周囲からの偏見、誤解も多く、実際にはインスリンを補充するだけで、健常者と変わらない人生を送ることができる。このような患者に対して医療機器メーカーとして企業の責任を果たしていくべきであり、治療期間が長期にわたる慢性疾患患者には期待の治療法であると同時に企業の存続という観点からも、新しい治療法の普及は本事業部にとって重要である。
詳細情報
ケースID | 15-1074 |
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登録 | 2015 |
業界 | 医療用機械器具・医療用品製造業 |
分析領域 | マーケティング |
ページ数 | 20 |
言語 | Japanese |
ティーチングノート | あり |