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千代田化工建設株式会社 2015

#持続的成長 #創業者の想い #経営理念


アブストラクト

千代田化工建設株式会社(以下、「千代田」という)は、1948年に「戦後の石油精製事業の再開に備えて技術者を温存し、産業設備専門の高度な技術会社を作る」という強い意志を持った玉置明善によって設立された総合エンジニアリング会社である。国内の製油所建設を次々に手がけて、石油産業の急激な発展と共に成長した。1960年代から海外にも進出し、中東を中心に石油、石油化学、液化天然ガス(Liquefied Natural Gas、以下「LNG」とする)などのプラント建設に携わる。1973年のアラブ首長国連邦からのLNGプラント受注は、日本企業として中東地域における初の受注となった。1980年代に入ると中東危機、プラザ合意による急激な円高などの影響で業績が低迷する。これを契機に、それまで蓄積してきた高い技術力を活かしてバイオ、医薬品、産業設備、テーマパークなど石油化学プラント以外のエンジニアリング事業への多角化を推進してきた。海外市場でも、当時、世界最大のガス田と言われたカタール沖天然ガス開発プロジェクトに着手した。しかし、1990年代には、韓国勢などとの価格競争が激化して、アジア通貨危機の影響も加わり未曾有の経営危機に直面した。そして、倒産の危機に陥ることになり、三菱商事株式会社(以下、「三菱商事」とする)・株式会社三菱東京銀行(現 株式会社三菱東京UFJ銀行。以下、「三菱東京銀行」とする)、米国エンジニアリング企業であるKellogg, Brown & Root(以下、「KBR」とする)の支援を得ることになる。2000年以降、原油高や環境保全を背景に、世界はクリーンエネルギーである天然ガスの開発に注力し始めた。2003年にはロシアにて年産480万トンのLNGプラント「サハリン2」、翌年にはカタールにて年産780万トンのLNGプラントを受注し、V字回復を果たす。その後もカタール向けLNGプラントを連続で受注するなど技術優位性を活かした事業を展開すると同時に、海洋資源開発、太陽光・太陽熱、交通インフラ、更には究極のクリーンエネルギーと呼ばれる水素など、エネルギーと環境の調和を経営理念とし、社会の持続的発展に貢献する総合エンジニアリング会社として成長してきた。千代田は2015年で創業67年を迎えて、現在は中期経営計画「時代を捉え、時代を拓く」を推進中である。その千代田が、今後持続的に成長していくために、強みの源泉である経営理念の本質を再確認したうえで、その経営理念に適合し、かつ、持続的な成長につながる事業戦略の探索を目的としたケースである。

詳細情報

ケースID 15-1082
登録 2015
業界 その他の技術サービス業
分析領域 企業倫理
ページ数 23
言語 Japanese
ティーチングノート あり