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青葉堂健康サービス株式会社 2016

#マーケティング #組織マネジメント #成長戦略

アブストラクト

今をさかのぼること約60年前、日本人によって世界で初めてマッサージチェアが作られ、日本に本格的な家庭用健康機器市場の基礎が作られた。その後も市場は広がり、今日ではマッサージチェアだけに留まらず、様々なマッサージ器や治療器が市場に投入されるようになった。業界内には大企業だけでなく、多数の中小企業が存在し、各社の穏やかな競争関係と消費者の一定のニーズに支えられ、規模は大きくないものの非常に安定した競争環境を維持している。そのような中、青葉堂健康サービスは、家庭用健康機器の卸売り、直販のほか、リフレクソロジーサービスやインターネット通販、コインタイマーレンタルなども行っている。設立は2006年であり、10年を数えるまでになっていた。小規模な会社でありながらも中小企業には珍しく毎期連続で黒字達成を続けていた。もともと底堅い家庭用健康機器市場に事業ドメインを置いていることや、創業53年を数える親会社青葉堂医療器の支援を得ていることも一因であるが、採算性を重視した事業展開を行っていることが、今日まで同社が存在する理由の一つである。そのような中、2014年春、前年度である2013年度(2013.04~2014.03)の決算が確定した。結果は、減収減益。2013年度は、一定規模のエンドユーザーと既存取引先に支えられて健闘した一年であったと振り返るが、期待した業績を収めることはできなかった。東日本大震災の影響があった年度を除けば、毎年度増益を重ねてきただけに非常に深刻な結果と理解され、様々な取組みを行うことになった。販路の開拓や新しい商材の探索のほか、販売における業務提携、合併案件なども行い、なんとか2015年度の決算にはその大きな成果が決算数字にも表れるまでになっていた。従業員、スタッフや取引先、提携先も増加しており、財務や業績の面からも大きく成長を遂げていることが示されており、同社の経営は非常に安泰であるように見えた。しかしながら、主人公であり、同社の経理担当である山浦昴輝は、良好な財務や業績推移を認識しつつも、いつしかこの会社が将来にわたって成長を続けていくことができるのか、疑問に感じていた。そのような中、営業利益1億円越えの達成と、大企業にも負けないくらいの魅力を持った会社作りを目指す社長の波川から、主人公・山浦にミッションが与えられた。それは、会社を広く取り締まる視点で現状把握と問題定義、提案を纏めるという答えの見えづらいものであったが、このミッションを解くことを通じて、同社が今後成長を果たしていくためには、どのようにしていくべきか、そして成長を重ねていくことができる組織とはどのようなものなのかを考えたい。

詳細情報

ケースID 16-1008
登録 2016
業界 電気機械器具卸売業
分析領域 総合経営
ページ数 21
言語 Japanese
ティーチングノート あり