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㈱豊田自動織機 2015

#持続的成長 #環境変化 #組織、人材


アブストラクト

㈱豊田自動織機は、豊田佐吉発明の「自動織機」を製造するため1926年に設立された。現在日本で時価総額第一位のトヨタ自動車は、1933年に豊田自動織機が自動車製造の為、自動車部を設置し、分離独立して設立されたもので、言わば豊田自動織機はトヨタ自動車の親会社に当たる。現在の事業内容は、設立以来の繊維機械の他に、自動車、エンジン、カーエアコン用コンプレッサー、産業車両、電子機器、鋳造事業、物流事業等があり、時代の変化に合わせて事業の多角化を図ってきた。中でもカーエアコン用コンプレッサー、フォークリフト(産業車両)、エアジェット織機においては世界ナンバーワンのシェアを誇る。筆者が所属するエンジン事業部は1953年に豊田自動織機が参入し、自動車用ガソリンエンジンの生産から始め自動車用ディーゼルエンジンへと生産を拡大し、さらに自動車用エンジンの技術を活用してフォークリフトを中心とした産業用エンジンの生産・開発へと事業の幅を広げ、その後1985年に自動車事業部から分離・独立し、「エンジン事業部」として独立し、事業を行ってきた。その後も生産機種、台数を拡大しながらリーマンショックなどの例外を除き持続的成長を続け、2014年度には過去最高の生産台数を記録したが、近年の環境変化の影響もあり2015年度は会社全体としては過去最高の売上高、営業利益を上げる中でエンジン事業部はKDエンジン、ARエンジンの減産等により生産台数、売上高ともに前年割れとなり2016年度以降も2014年度の水準までは回復しない見込みである。そんな中、「ディーゼルエンジンの開発・生産機能を豊田自動織機に集約する」、というトヨタグループの方針が決定したが、一方でディーゼルエンジンには大きな逆風が吹いている。フォルクスワーゲンのディーゼル車排ガス不正問題によるディーゼルエンジンへの信頼、トヨタ自動車のハイブリッド・電気自動車へのシフトなどである。フォークリフトについてもバッテリー化が進んでいる。このように時代が大きく変化しつつある中、豊田自動織機という会社とその一部であるエンジン事業部の歴史を振り返り、エンジン事業部が今後持続的成長を続けていくために何をすべきかについて論じる。

詳細情報

ケースID 16-1030
登録 2016
業界 自動車・同附属品製造業
分析領域 企業倫理
ページ数 20
言語 Japanese
ティーチングノート あり