アブストラクト

1960年に創業した『大学新聞広告社』は、時代と共にニーズを具現化し続けた。そして様々なメディアを扱う『株式会社リクルート』に成長を遂げた。事業成長の中で1990年代に「街の情報」に目をつけ、「生活情報360°(サンロクマル)」を創刊した。これが後の「ホットペッパーグルメ」の前身となる。1990年代〜2000年代にかけ、同メディアは右肩上がりの成長を続け、時代の需要も素早くキャッチし、その活躍の場を紙⇒ネットへと移行も遂げることが出来た。しかし2010年代に入り、様々なメディアの台頭、顧客の進化、情報の双方向化の加速等、市場における劇的な変化が起きた。その結果、「ホットペッパーグルメ」の成功モデルが今まで通りでは立ち行かなくなってきている。その打開策として既存の「広告収益モデル」を軸に「業務支援」等、新たな白地に裾野を広げつつあるが、まだ見ぬ競合や絶えず変容する需要など、予期せぬ課題にも直面しだしている。限られた人員や資産、他部署と比較して厳しい財務状況の中で、近い将来をどう予測し、どの方向に舵取りを切るのか。事業長徳光の立場で現在進行形の課題を追体験しつつ、経営判断の難しさを学んでいただきたい。

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